卒業式も終わり、私は進学する訳でも無く、予備校に通う訳でも無く、就職する訳でも無く、当時で云うプータローである。
しかし先輩に誘われ、先輩の会社を手伝うことに成った。
若冠21歳の先輩が社長で、先輩の友人二人が社員で、他はアルバイトだ。
私は、先輩直属だったので、バイト連中から見れば社員だと思われていた。
まぁ、中途半端で曖昧な立場だった。
先輩で有る社長は、トヨタ1600GTに乗っていて、一緒に行動する時は、私に運転をさせたって云うか、させてくれた。
すぐに『車使うんやったら云えよ』と云ってくれ、借りることにした。
K子の初出勤迄、まだ少し有る。
日にちを決めた。
ここで、悪友のTが私をけしかける。
『お前、K子が勤めだしたら、あいつはモテるから心配やろ…!』図星で有る。
社会人とも成ると、同じ会社内の人間は当然のこと、通勤途中でナンパを仕掛けて来る輩は絶対にいる。
Tが云うに、二人の関係を確実なものにするには、絶対に〇〇〇をすべきだと云う。
過去に何度か、その直前までは有った。
Tは、もう既に済んだと思ってたそうだが、『未だや』と云うと、『アホかぁ!』と云って笑われてしまった事が有った。
此度の場合、ドライブ・コース迄Kが決めてくれ、モーテルの有る場所迄教えてくれた。
日にちを決めてから三日間有ったが、もう仕事も手に付かない程、緊張してしまった。