1964年9月17日、翌月に迫った東京オリンピックに向け、羽田空港と都心を結ぶ「東京モノレール」が開業しました。この超特急プロジェクトの裏には、昭和の日本人による力技の奇策が隠されていました。
オリンピック開会式までに残された時間はあとわずか。しかし、陸地に線路を敷こうにも東京の土地はすでにギチギチで、地権者との交渉をしていたら大会が終わるどころか何年もかかってしまいます。「絶対に納期に間に合わない」と誰もが絶望する中、技術者たちが目をつけたのが、誰も所有していない「海や運河の真上」でした。
「地上の買収が無理なら、水の上を通せばいいじゃないか!」という豪快すぎる発想のもと、東京湾や運河のへりに次々と巨大な橋脚を打ち込む前代未聞の工事がスタート。面倒な土地交渉を丸ごとスルーする力技により、わずか17ヶ月という超絶的な突貫工事で浜松町から羽田までの全線を完成させてしまいました。
日本のメンツをかけた極限の締め切りプレッシャーと、「海を通す」という破天荒なアイデアが生んだ奇跡のモノレール。世界を驚かせた美しい海上ルートは、実は締め切りに追われた昭和の男たちの執念と突貫工事の賜物だったのです。
