7月17日の「東京の日」は、世界的な大都市である「TOKYO」の誕生が、実はかなり大雑把でゆるいスタートだったという歴史のギャップが面白い記念日です。

1868年のこの日、明治天皇の詔書によって、それまで約二百六十年にわたり徳川幕府が支配していた「江戸」が「東京」へと改称されました。ここから日本の新しい首都としての歩みが始まるわけですが、驚くべきことに、誕生した当時の人々は新しい街の名前をどう発音していいのか公式に決めていませんでした。

 

そのため、現在の「とうきょう」という読み方の裏で、明治初期の公文書や海外の記録には「とうけい(Tokei)」と記されているケースが多々ありました。当時の人々も、新しく東にできた京だから音読みで「とうけい」だろう、とわりと雰囲気で呼んでおり、しばらくの間「とうきょう」と「とうけい」が入り混じる大混乱が続いていました。

 

世界を牽引する巨大メトロポリスの名前が、最初はそんな曖昧な感覚でスタートしていたと思うと、なんだか微笑ましい気持ちになります。今夜は、洗練された大都会の夜景を眺めながら、かつて「とうけい」と呼んで首を傾げていた明治の人々の姿に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。