私が印刷会社の配達をしていたころ、

同僚をコンビを組んで配達することもしばしばあった。

 

配達先ごとに運転を代わり、お互い疲れを癒しながら効果的な働き方だった。

 

そんなある日、保険会社の納品時に事件は起こった。

 

同僚と納品物の「約款(やっかん)」(平たく言えば保険内容の説明書の冊子)をトラックから降ろし、台車に積んで地下の倉庫へと搬入した時、同僚が

 

「こんにちは」

「やっ  やっ  くぁあんを お届けに上がりましたぁ」

 

何やら顔を赤らめている。

 

「??????}

どうしたことかと様子をうかがうと

 

「やっ  やっ  くぁあんはどちらに降ろしましょうか?」

 

またもや、ハッキリしない恥ずかしそうな口調である。

 

何種類かの約款を指示通りに棚に積み上げ、トラックへと戻った。

 

すると同僚が、

「やっくゎん って、恥ずかしいですよね?」

と言い出した。

 

「やっくわん?」

 

問いただすと、先ほど納品した商品のことだと彼は言った。

 

なるほど、彼は「約款」を「やっくわん」と思っているらしい

 

ちなみに、「やっくわん」とは、沖縄の方言で「男性の股間」を意味する。

名作「わたるがぴゅん」を愛読いただければ一目瞭然である。

 

私はその瞬間、いろいろな考えが頭をめぐり

 

「なんか、ちょっと 恥ずかしいよね!」

 

と同調し彼の行為を肯定した。

 

あの後、誰か教えてあげたのだろうか?