そもそも、私がここ沖縄の印刷会社で働こうと思ったのは、地元が好きとということと、印刷はどの業態でも発生するので色々な会社を見ることができると思ったからだ。

 

しかしその事が仇となり、この季節には色々な取引先からクリスマスケーキの購入依頼が殺到する。

一人3個は確実に購入し、当時独身だった私のような人は5個ほど購入しなければ会社としてノルマが達成できない。

 

そのことを知ってか、この時期になると従兄弟の子が

 

「兄さん、今年もケーキ買ってきてくれるの?」

 

と催促の電話もかかってくる。

 

会社に戻ると、冷蔵庫では保管できないケーキが冷房のガンガン効いた会議室で帰宅の準備をしている。各社ごとに並んだ受取名簿にサインをし、ケーキをクルマに押し込と配達のスタートだ。

 

イブの夕方は家路につくサラリーマンと、これから夜を楽しむカップルで道は毎年ながら大渋滞している。車社会の沖縄最大の問題点のひとつだ。

 

いつもなら30分の家路もケーキ配達と渋滞のお陰で4時間程かかり、18時に会社を出て家についたのは22時。

 

本当に、「メリー苦しみます」と言いたいくらいだ。