ジャン・アヌイの「アンチゴーヌ」を観る。
国王(女王)とその姪、前王の娘,王女の話である。
アンチゴーヌがその王女である。
悲しいことに出演者達に、王室の住人の持つ気品も誇りも感じられなかったことである。
私の感性と合わなかったかもしれないが、インテリジェンスも育ちの良さも感じられなかった。
また、死を選んだ女性、死を与えざるをえない女性の決意、潔さ、考えの深さ、らしきものが私には届かなかった。
卒業公演とのことだが、4年間学んだ成果がこの程度なら、教育者達に金を返せと言いたくなる。
入場無料だが、時間も交通費も払っている。払ったのは私の勝手だが。
アヌイの作品の持つ常識を覆す、体制と反体制のあり方、日常と非日常、その当時斬新と思われた台詞、心に響く台詞が多いのだが、私にはヒステリックなおばちゃんとナイーブ(成長し切れていないという意味)なお姉ちゃんの感情過多の会話としか感じられなかった。
昼だか夜だかわからない、時間を感じさせない照明。1日の話なのか、数日間の話なのか、さっぱりわからない。
数時間の内にアンチゴーヌの死が 決定し、女王の息子(多分次期国王)でアンチゴーヌの婚約者が共に死ぬという結末。その人生のはかなさ、あっけなさ、情けなさ。生きるということのアヌイのメッセージがある筈なのだが・・・。
演劇がスターシステムと選ぶことによるものなのか、あまりにも身近になりすぎたせいか。作品が軽く演じられるのに恐怖を覚える。
