「日葬祭典 回想録」は「葬儀の話」「ヤクザの話」「神輿愛好会 櫻睦の話」「雑談」の4本柱で書き込みをしています。

 

暴力団対策法が強化されたので、今後は「住吉会」の大規模な葬儀は出来なくなり、ヤクザの家族葬しか出来なくなりました。ヤクザの家族葬というのはお通夜、告別式を含めてヤクザの組員の人達が5~6人の参列しか出来ない葬儀なのです。当社は今後「住吉会」の大規模な葬儀をやる事が出来ないので非常に痛手でした。

 

西口親分の自宅に行って事情を話したら、「中村、俺の方は法律を破って迄葬儀をやらないので、今後は「住吉会」の葬儀をやらなくてもいいよ」と言ってくれました。「住吉会」本部事務所、警視庁捜査4課の住吉会担当の刑事さんにも今後「住吉会」の大規模な葬儀をやらない事を報告しました。

 

ただ気になったのは中神、小田の2人は個人的にヤクザとは付き合いはしていなかったのですが、神輿愛好会「櫻睦」会長のY社員は非常にヤクザが好きでヤクザに憧れていて、ヤクザの組員の人達に知り合いが大勢いるという事や、義理、人情、恩義などの話しが好きで、皆んなにその話しを重んじて神輿仲間の人達に話していたので、その事が少し気になりました。

 

ただ当社にとっては「住吉会」の大規模な葬儀が出来なくなると、年間の売り上げが確実に数千万円なくなるので、私が生花屋さん、仕出し料理屋さんの社長に連絡をして事情を話して少しの間は今迄の支払い条件を変更してもらいました。何処の取引先も資本力がありましたので少しは気が楽でした。

 

ただ気になったのは20年近く個人で当社の専属の配膳の人の事でした。貴重な時間をさいて、お香典を持って来てくれる参列者、会葬者の人達にお通夜などのお清め所で満足のいくサービスをする為には、配膳の人が3人は必要なのです。料理屋さんからはサービスで1人配膳の人を付けてくれるのですが、1人は当社の持ち出しで常に3人の配膳の人に来て貰っていました。

 

それに何処の葬儀社も仕出し料理屋さんは2社と取引をしているのが普通なのですが、当社は1社としか取引をしていませんでした。専属の配膳の人がその方がやりやすいと言っていたからです。それと料理屋さんの担当者も決めていました。それも専属の配膳の人がやりやすいと言っていたからです。それくらい専属の配膳の人を信頼していました。

 

それにこの配膳の人は当社の社員よりも義理、恩義、人情や責任感も強く、仕事に対する心構えも皆んなが認めていました。でもこの様な状況になると配膳の人の給料の支払いも遅れるでしょうし、3人の配膳の人を使う事が出来なくなってしまったのです。

そこでこの配膳の人に世田谷区の葬儀式場で「配膳の人数は今迄通りにしたいのだけれども、困っているんだ」と相談をしたのです。

 

そうしたらその配膳の人が「社長、何を言っているんですか。私は20年近く社長の所でお世話になった恩義もありますし、社員でもないのに料理屋にしても、配膳の人にしてもみんな私にすべて任せてくれていたんですよ」と言ってくれたのです。そして「どうにかして常に3人の配膳の人が来る様にしますし、会社に負担がかからない様にします」と言ってから、「私の給料はいつでもいいですから早く忙しくなる様に頑張って下さい」と言ってくれたのです。

 

「申し訳ないけれども、どうしても参列者、会葬者の人達に満足のいくサービスをしてあげたいのでよろしく頼むよ」とお願いをしたのです。

 

「Y社員、A社員の意見」

神輿愛好会「櫻睦」会長のYは、「とにかくヤクザが好きで憧れていて、義理、恩義、人情の話しが好きで、とにかく会社の中で起こっている事は何でも知りたいくせに、自分が知っている情報を他の社員に共用するという訳ではなく、自分だけが知っていたいという事が喜びみたいな性格の持ち主なんですよ」と聞いた事がありますと私に言うのです。

 

ある日神輿愛好会「櫻睦」会長のY社員とA社員が私の所に来て「配膳人が勝手に料理屋の担当者に、配膳の人をもう1人増やして欲しいと頼んだ事を知っていますか?」と言うので「知らない」と答えたのです。そうしたら、神輿愛好会「櫻睦」会長のY社員が「それと配膳人が、料理屋さんがサービスで付けてくれる配膳の人の給料は会社で支払っているのよね」と確認をしたらしいのです。

 

「そうです」と料理屋の担当者が答えたら、「うちの配膳人がこれからは式場に私の知っている配膳の人を連れてくるので、その配膳の人の給料を会社で支払って下さい」と言ったらしいのです。そして「領収書は私が出しますから、お金は私のところに持って来て下さい」と言ったらしいのです。

 

私は専属の配膳の人が直ぐに会社に負担がかからない様にしてくれたのだと思ったのです。ところが神輿愛好会「櫻睦」会長のY社員とA社員は「うちの配膳人は追加した1人の配膳人の給料を料理屋から貰っているくせに、うちの会社にもう1人の配膳人の給料を請求して配膳人の給料の二重取りをするつもりなので、これは詐欺と一緒だと思って顧問弁護士に相談したら「可能性」はあると言うので訴えましょう」と言うのです。

 

いつも義理、恩義、人情の話しが好きで、皆んなにその話しを重んじて話しているので、余りにも馬鹿馬鹿しいのと、何かうちの配膳の人に不満がある様なので「わかった。それ以外には?」と聞いたのです。そうしたら、「あの配膳人はねずみ講みたいな会社から、クロポリスという健康食品をセレモニーレディや、自分が連れて来た配膳人に売らせてお金をピンハネをしているし、娘を時々配膳でアルバイトで使ってうちの会社を食い物にしている」と言うのです。

 

そして「うちの会社の取引先の高級老人ホームのレストラン部門に、内緒で就職して入居者と親しくなってプロポリスを売って儲けようとしているんだ」と言うのです。そしてA社員は「老人ホームの担当者として、うちの取引先で働いて欲しくないのと私に話しをしないで内緒で働いている事は絶対に許せない」と言うのです。

 

そして神輿愛好会「櫻睦」会長のY社員が「料理屋の担当者に言って、2人分の配膳に支払った金額が書いてある、うちの配膳人から貰った領収書を持って来る様に言ってあるんだ」と言うのです。そして「とにかく証拠が揃ったら訴えましょう」と言うのです。

 

「小田の意見」

小田に「今、YとAが配膳の人の事で言ってきたのだけれども」と話したら「知っていますよ」と言うのです。そして「俺は葬儀の打ち合わせ担当なのでセレモニーレディや配膳の人とよく打ち合わせをするけれども、配膳の人は一生懸命だし信頼ができるし、もし自分が病気でもして会社に迷惑がかからない様に娘に仕事を教えていると言っているくらいだから、安心できますよ」と言うのです。

 

それに老人ホームのイベントに娘が配膳で手伝った時に、「レストランで働いて欲しい」と頼まれたので、会社の事を考えると無下に断わる事も出来ないので就職したけれども、考え方によっては老人ホームの中の事が良くわかるし、強いコネが出来たのと同じなので会社にとってはプラスだし、YとAが言っている事に対して反対です」という意見でした。

 

「中神の意見」

中神のところに電話をしたら、「社長、小田から聞いています。ÝとAの2人が何を考えているのか知りませんけれど、俺も小田の意見と一緒ですから」と言うので、殆ど話しをしませんでした。

 

「私の出した結論」

顧問弁護士に電話をしたら、確かに配膳の人の事で電話があった事を話してくれました。弁護士に当社の状況を話して近いうちに事務所に行く事を話してから、うちの配膳の人に電話をかけて、心を鬼にして配膳の人に上から目線でとにかくこのままの状態では詐欺で訴える事が出来る事を話ました。

 

そして顧問弁護士の事務所に行く日にちを決めて、弁護士の所に行ったら俺とAがいるので、会った瞬間俺とAに謝罪して「今までの給料はいただきませんし、許して下さい」と言って欲しいと命令的に言いました。そして弁護士の事務所で3人で会って念書を書いてもらいました。

 

私としては今後の会社の状況を考えると、直ぐに会社を立ちなをす為には、現場の人間と病院、老人ホームの担当者の意見を取り入れなければ、どうしようもなかったのです。いずれ中神が社長になったら私が配膳の人に心から謝罪をして、借りているお金を払ってから、また会社に来て貰って配膳の仕事をして貰う様に頼むつもりでした。

 

弁護士の事務所を出て少し経ったら配膳の人から「まさか社長が私にこんな事をするなんて、夢にも思わなかった」と言われた時は、胸が張り裂けそうでした。その配膳の人が言った言葉を聞いていたAが「あの配膳は助けてあげたのに、社長にお礼を言うのならともかく、あんな事を言うのならやっぱり詐欺罪で訴えればよかったのよ」と言うのです。

 

会社に帰ったら神輿愛好会「櫻睦」会長のY社員から電話がかかってきて、「社長、絶対に訴えるべきでしたよ。Aから話を聞いたんですけれども、助けてやったのに社長に逆恨みをするなんて本当に頭にくる」と言うので、いつも義理、人情、恩義の話しが好きで、皆んなにその話しを重んじて話している事を思い出したので、気分が悪くなったので電話を切りました。