「日葬祭典 回想録」は「葬儀の話」「ヤクザの話」「神輿愛好会 櫻睦の話」「雑談」の4本柱で書き込みをしています。

 

杉並区立「松ノ木中学校」の前の店舗付き住宅を借りて「日葬祭典株式会社」の本社にしていたのですが、住吉会の葬儀をやる様になって資金的に余裕が出来たので、京王井の頭線「久我山」から三鷹方面方面に向かって「〒久我山郵便局」の前を通り過ぎて5~6軒先の人見街道沿いに小さな4階建てのビルを購入して「日葬祭典株式会社」の本社を移転しました。

 

「暴対法」が強化されるまで30年近くヤクザ団体の「住吉会」本部の指定葬儀社だったので、住吉会葬、関東二十日会葬の様な「住吉会」本部の大規模な葬儀を、都内の葬儀式場で1年間の間で平均10~15件程度の葬儀をやっていました。それ以外にも地方にも2~3回は地元の葬儀社の手伝いに行ってましたし、「住吉会」本部の大規模な葬儀は当社しか出来ないので、都内にしろ地方にしろ、すべて当社が手伝っていました。

 

それに一般の葬儀社で「住吉会」の大規模な葬儀をやろうとしても、警視庁捜査4課で許可をしてくれないのと、全国にある「住吉会」の各一家の総長や最高幹部の人達に葬儀社の顔と名前が知られていないので、結局、当社しか「住吉会」の大規模な葬儀は出来ないのです。何故他の葬儀社が「住吉会」本部の大規模な葬儀をやろうとしても、警視庁捜査4課で許可をしてくれないのかと言いますと、他の葬儀社では「住吉会」本部の組員の人達に葬儀社の希望を話したくても、何も話す事が出来ないのです。

 

その為に火葬場にある葬儀式場の近隣の住民の皆さんに迷惑をかけてしまうので、警視庁捜査4課では当社に任せるのが一番いい事がわかっていたからだと思います。西口組長が全国にある住吉連合会の各一家の総長と「親子盃」を交わして、西口組長が一本化した「住吉会」の初代「住吉会」 会長になり、内部改革の一端として西口会長の後ろ盾で「日葬祭典」が住吉会本部の指定葬儀社になりました。

 

それに都内の火葬場が建て替えられ、それ以来「住吉会」本部で執り行われる大規模な葬儀の住吉会葬、関東二十日会葬のスタイルを決めたり、襲名、住吉会本部葬、幹部会、新年会などの手伝いを任されました。それまでも住吉連合会の時でも、住吉会葬、関東二十日会葬は行なわれていたのですが、スタイルも決まっていなくて規模も小さく、参列者と会葬者の人数を合わせても7~800人位の人数でした。

 

その為に警視庁捜査4課も黙認してくれていたので、一部の葬儀社でもやれたのですが、「住吉会」自体の規模があまりにも大きくなったので、警視庁捜査4課も黙認している訳にはいかなくなったので、当社にしか許可をしてくれなくなってしまった様なのです。警視庁捜査4課との話しあいで、都内で「住吉会」本部の大規模な葬儀をやる時には、東京博善株式会社が運営している四ツ木斎場、代々幡斎場、堀之内斎場の3ヶ所に限定したのです。

 

「住吉会」本部の大規模な葬儀に関しては、火葬場と警視庁捜査4課から色々な条件が出されたのですが、その中でも私が1番頭を悩ませたのが、警視庁捜査4課から言われた近所の人達の「110番」通報の件でした。「もし「110番」通報が一件でもあった場合は、警視庁は葬儀の途中でも葬儀は直ちに中止するから」と捜査4課の住吉会担当の刑事さんに言われました。

 

ただ救われたのは、火葬場を建て替える時に火葬場の所長と近隣の住民の方達が話し合っている事を、私が知っていたので、近隣の住民の方の方達とは連絡が取りやすいと思っていたので、気分的には楽な部分がありました。おそらく、「110番」通報が入るのは、駐車違反と、組員の人達が路頭を組んで葬儀斎場に向かって歩いている時に、ヤクザは怖いと感じて「110番」通報をするんだと思ったのです。

 

ただいつも私が思っている事は、当社が独立をした頃はまだ火葬場の周りにはそんなに建物が立って居なくて、極端な言い方をすれば最初に火葬場があって後から住民の人達が来た訳ですから、何とも言えない気分だったのです。その頃は火葬場の営業時間は、午前9時~午後4時までだったので火葬が出来たのですが、現在は午前10時~午後3時までしか火葬が出来なくなってしまったのです。

 

ただ「110番通報」がない様にする為には、近隣の住民の方が夜食の準備の為に夕方買物に行く前に、葬儀に参列するヤクザの人達に会わない様に先に葬儀斎場に入ってもらって、本通夜葬儀が始まる前に先に食事をしてもらう事にしたのです。本通夜葬儀の時間になったら住職が席に着席して読経が始まる前に、葬儀委員長の挨拶をしてもらい、司会者の方に住吉会の組員の人以外の参列者の人に、「指名焼香以外の方は自由焼香 自由解散です」と言ってもらう事にしたのです。

 

司会者の方の挨拶が終わってから住職の読経が始まる訳ですから、一番最初に「西口親分」に焼香をしてもらい、後は他団体の参列者の方が焼香を済ませたらそのまま席に戻らずに、帰ってもらう事にしたのです。その為にお通夜の時間は、午後4~6時の間で始める様にしたのです。これで葬儀斎場の方は決まったのですが、問題は近隣住民の皆さんの方でした。

 

まず、葬儀式場の中で会葬者を立って迎える若い組員の人達には、参列者が来る1時間に電車で来てもらい、全員バラバラになって来てもらう事にしました。そして組員の人達が来る1時間前にガードマンの人達にも、なるべく交通案内係の目立つユニフォームを着てもらって、1人が歩く距離を決めて常にその間を歩いてもらいました。ガードマンの人達の人数も斎場の出入口から左右に各10名ずつ配置しました。

 

そして、そのガードマンの人達に近隣の住民の方から、「今日は何かあるのですか?」と聞かれたら、「非常に大規模なヤクザの葬儀が有りますので、近隣住民の皆さんに迷惑をおかけしない様にしたり、無断駐車をしない様に来ているのです」と言う様にお願いをしました。火葬場の入口から葬儀式場の前に立って、会葬者を迎える組員の人数も2000人にして5列に並んでもらって、外から葬儀斎場の中を覗いたら普通は見られないヤクザの迫力がある葬儀の雰囲気に演出しました。

 

そして、火葬場の職員の人から近隣の住民の方に、「今日は 大規模なヤクザの葬儀がありますけれども、決っしてご皆様には迷惑をおかけしない様にしてありますが、もし、何かご迷惑をおかけする様でしたら直ぐに火葬場にご連絡ください」と言ってもらいました。何故その様にしたかと言いますと、よく芸能人の方が亡くなりますと、近隣の住民の方の中には葬儀式場に来る人が大勢来ると聞いた事があるので、ヤクザの大規模な葬儀だと事前に知らせておいて、葬儀斎場の外にはガードマンが20名を配置しておけばおそらく「110番」通報はないと思ったのです。

 

それに夕食の準備をする為に買物に行く時にはヤクザの人達とはなるべく会わない様にしたので、当社でやる「住吉会」の大規模な葬儀では一度も「110番」通報が入った事はありません。