「日葬祭典 回想録」は「葬儀の話」「ヤクザの話」「雑談」の3本柱で書き込みをしています。

 

杉並区立「松ノ木中学校」の前の店舗付き住宅を借りて「日葬祭典株式会社」の本社にしていたのですが、ヤクザの葬儀をやる様になって資金的に余裕が出来たので、京王井の頭線「久我山」駅から三鷹方面方面に向かって「〒久我山郵便局」の前を通り過ぎて5~6軒先の人見街道沿いに小さな4階建てのビルを購入して「日葬祭典株式会社」の本社を移転しました。

 

これで自宅と会社の通勤が車で出来る様になり、途中で会社の近くのファミリーレストランに寄って、ヤクザの葬儀だけではなくて、一般葬をやる為の戦略を考える事も出来るので、本格的に一般葬の営業活動を始めました。4~5年で病院、寺院、老人ホームなど13ヶ所の指定葬儀社になりました。

 

会社に着くと2階に上がる入口のステンレス製の小さな看板に「日葬祭典株式会社」の会社名を見て、いずれ杉並区ではトップクラスの葬儀社になる事を目指して4階の事務所に行くのが日課になりました。

 

当社にとって運が良かったのは駐車場が徒歩で1~2分の所に借りられた事です。最初は車のナンバーで契約するので他の車を駐車する事は出来なかったのです。

 

いい大家さんで一区画10台分を借りれば契約車両と関係なく自由に駐車場を使ってもいいですよと言われたので、三区画を借りてたいたので、霊柩車の後ろに付く随行車を当社で所有する事が出来たので、すべて高級外車のリムジン車に決めたのです。

 

その為にどんなに大きなリムジン車でも駐車する事が出来たのです。勿論車はすべて中古車で新車は1台もありませんでした。

 

葬儀社の随行車で使用するので、車内はすべて直さなくてはなりませんので、結局新車と同じ位の価格になってしまいました。

 

特にロールスロイスの場合は自分の気に入った年式のロールスロイスを購入して、車のサイドミラーから始まって椅子のカバーから車の色の塗装を変えて、すべて自分の好きな様にするのがロールスロイスという車だという事を初めてしりました。

 

その為に当然新車よりも値段が高い車になってしまう訳です。当社の場合は随行車で使用するのではそんなに変える必要がなかったのですが、それでも霊柩車の後ろに付く随行車なので多少は変えました。

 

霊柩車の後ろに付いてご遺族を乗せて火葬場迄行く随行車は、国産のハイヤーとマイクロバスと決まっていました。

 

ただハイヤーに対する価値観が変わって来たみたいで、ご遺族の方と話しをしていてもハイヤーというイメージは昔ほどのブランド感が無くなった様な気がしたのです。

 

おそらくハイヤーより高級車を持っている家族が増えたので、ハイヤーと言っても別に特別な車というイメージが無くなって、嬉しそうな顔もしなくなりました。

 

昔はご家族の方に「ハイヤーに誰が乗って行きますか?」と聞きますと、ご家族の中では必ず「私が乗って行きます」という人がいましたが、現在は「車種は何ですか?」と聞いてくるご家族の方も出てきました。

 

当社はハイヤーを辞めて自社で随行車を持つ事にしました。そして随行車は火葬場の帰りや、自宅に帰る時に喪主の方が必ずご遺骨を胸に抱いて乗るのです。

 

その為に出来るだけ後部座席が広い高級外車の「リムジン車」にしました。それにハイヤーと違って料金を頂く訳ではありませんので大変好評でした。

 

それとご遺族の方から車の車種を聞かれた時も名前だけでなく、いずれ少しでもその車に付加価値が付いている車にする事に決めました。1番最初の車は、ヤナセのキャデラック ロイヤルリムジンという車でメーカー製のリムジン車でした。

 

ただ随行車で使用しても少し車が大きすぎるのと長すぎるので、堀之内火葬場の場合は駐車場が狭い為、他の葬儀社の方に迷惑がかかるので半年間でやめました。

 

次にダイムラー リムジンにしました。この車はイギリスのダイアナ妃の葬儀の時にイギリス王室の人達が随行車に乗っていた車種です。

 

このリムジン車は全体的に大きくて、ガソリンタンクが「左右」に有り、ドアーの厚さが異常に厚く防弾ガラスを別に取り付けることが出来る様に厚くしてありました。

 

ガソリンタンクが左右にあるのは誰かに襲われても大丈夫にしてあるんだという事が後でわかりました。

 

次にロールスロイスにしました。ロールスロイスは2台ありましたが、1台は「リムジン」で日本に7台しか輸入されていない車でした。リムジン車は運転席と後部座席の間にパティーションがるのです。

 

ロールスロイス リムジンはさすがに凄い車で、パティーションを閉めると運転席と後部座席の会話はまるっきり聞こえないので、前の座席に座った人とはインターホンで話をするのです。

 

ご家族の方は運転手に話しを聞かれてしまうので、なるべく前の座席に座らない様にしました。

 

もう1台のロールスロイスは世界限定車で、50台しか生産されなかった車で、購入するまで随分と時間がかかりましたが車が好きなご家族の方には大変よろこばれました。

 

普通はロールスロイスのギヤーはハンドルの横に付いているコラムシフトなのですが、このロールスロイスはフロアーシフトなのです。

 

一般的に言われているのはロールスロイスは、後部座席に乗る車で運転をしたいのなら、ベントレーと言われているそうです。

 

どちらも同じロールスロイス社製の車なのですが販売会社を分けて販売しているそうです。

 

このロールスロイスは、アラブ首長国連邦の王様が自分で運転をするロールスロイスを特別に作らせた車で、車のベースはベントレーのターボRという車種でした。

 

エンジン、ミッシヨンはベントレーで、ボディはロールスロイスのボディを合わせたので、ギヤーがロールスロイスなのにフロアーシフトなのです。

 

その為にロールスロイス社では王」の許可を得て、同じロールスロイスを50台限定で作った車そうです。

 

どちらのロールスロイスもこの車の持ち主が手放すまで待っている訳ですから、手に入れるまでは随分時間がかかるわけです。

 

同時期にイギリスのタクシーで使われている車も購入しました。この車はオースチンという車で、通称ビックベンと呼ばれている車も所有していました。

 

この車も後部座席が広いのと天井が高いので、圧迫感が無くてご遺族の方にはとても評判が良かった車でした。

 

イギリス紳士がシルクハットを頭にかぶって乗車しても天井に帽子が当たらない様にしてあるそうです。

 

国産車も1台ありましたが、トヨタ自動車のセンチュリー リムジンも、日産自動車のプレジデント リムジンも後部座席が狭いので当社は日産自動車のプレジデントを半分に切って、60センチに伸ばして特別に作ってもらってそれを随行車にしていました。

 

やはり喪主の方が着物を着てご遺骨を胸に抱いて乗る訳ですから、後部座席が広いリムジン車が1番いいに決まっています。

 

他の葬儀社の人からは「中村社長、車が好きですね」と良く言われましたが、別に車には余り興味がありませんでした。

 

リムジン車で買い物に行っても、都内では駐車場が殆ど無くて大変ですし、専属の運転手さんが居ればいいのでしょうが決して自分の自家用車にはしたいと思いませんし、日本では軽自動車が一番いいと思います。

 

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