「日葬祭典 回想録」は「葬儀の話」「ヤクザの話」「神輿愛好会 櫻睦の話」「雑談」の4本柱で書き込みをしています。

 

私がまだ26才の時で、杉並区立「松ノ木中学校」の前の店舗付き住宅を借りて「日葬祭典株式会社」と言う葬儀社を始めた頃で、葬儀の依頼が無くて30才の時に一般の葬儀屋さんが敬遠するヤクザの葬儀をやる事に決めて、JR中央線「高円寺」に住吉連合会の「向後一家」の事務所があり、「向後一家 二代目」西口組長の自宅に直接伺って直談判をしてヤクザの葬儀を紹介して貰う様にお願いをしました。西口組長も気持ちよく「日葬祭典株式会社」に協力してくれて、住吉連合会以外の団体の葬儀も紹介してくれました。

 

皆様が現在利用している都内の火葬場は観た感じは火葬場に見えませんが、建てかえる前の火葬場は独特な雰囲気を持っていて特に目立ったのが非常に高い煙突でした。

 

またお柩を火葬炉に納める所を表としますと、現場の職員の人達が作業をする所は裏になる訳です。昔は火葬をする時の燃料が重油だったので、作業をする職員の人達も常に6~7人の人が裏で汗だくになって働いていました。

 

現在は燃料もガスになりすべてコンピューター化され、一人の職員が部屋の中でモニターTVを見ているだけですべての作業が終了してしまう訳ですから、昔とは大違いです。私が昔の火葬場のお風呂を何故使わせて貰っていたかと言いますと、ヤクザの葬儀をでやり始めた頃は社員も少なくアルバイトを頼んでヤクザの葬儀を始めたのです。

 

当時は私が一般葬の時の打ち合わせ、飾り、司会までやっていたので、すべての準備が終わると全身汗だくになってお風呂に入ってスーツに着替えないと、司会が出来なかったのです。

 

葬儀式場の近所に銭湯があった時にはそこの銭湯に行っていたのですが、近所に銭湯が無かったり、行っても車の駐車場が無ければお風呂に入れないので、1番安心して入れるお風呂が火葬場の職員の人達が入るお風呂だったのです。

 

その為に火葬場の職員の人達が入るお風呂に入れて貰らう様になったのです。当時は火葬場の施工件数も少なかったので職員の人達も作業が終わった人から順番にお風呂に入って帰ってしまう時代でしたから、夕方4時頃には全員お風呂に入っていましたのでそれ以降はいつでも入れたのです。

 

それに当社も徐々にヤクザの葬儀の依頼が増えて来たので、いつヤクザの葬儀があるのか分からないのと、一般葬の依頼があれば1番最初に私が行かなければならないので、何処の葬儀式場でも葬儀の準備が終わったら近所の銭湯に行って汗を流して、スーツに着替えていました。

 

ただ着替えのスーツ以外に下着、靴、ネクタイなどをバックに入れて持って行くので、銭湯に行くよりも近くにある火葬場のお風呂に入れて貰っていたのです。

 

当社は堀之内火葬場に近くて何かと都合が良かったので、良く堀之内火葬場の葬儀式場を利用をさせて貰っていましたので、堀之内火葬場のお風呂には良く利用させて貰いましたが、ただいつも怖いなと思いながらお風呂に入っていました。

 

理由はお風呂場が火葬場の建物の裏から10メートル位離れた所にポツンと一軒建っていたのです。

 

それにお風呂場に行く途中に明かりが全然無くて、夜は真っ暗でしたのでお風呂場に行くのに懐中電灯が必要でした。お風呂場に行くのには火葬場の表の火葬炉の一番左端にある職員用の出入口から入って、火葬炉の裏の作業所の中を通り抜けて行くと1番右奥に外に出られる出入口があるのです。

 

火葬炉の作業が終わると作業所の電気を全部消して、裸電球が1ツぶら下がっているだけでした。それにお風呂場の建物は一軒家で、外観はかなり古く見た目は決していいとは言えませんが中は広くて綺麗でした。

 

ただ、当時は換気扇がお風呂場に付いて無く、大きな窓があってその窓を少し開けて換気をしていました。午後4時頃にお風呂に入る時はそんなに恐怖感は無かったのですが、葬儀が終わって午後8時過ぎにお風呂に入る時があるのです。この時のお風呂場に行く時が1番問題なのです。

 

職員用の出入口から入って火葬炉の裏の作業所の真ん中を突きって、外に出る迄の距離が長く感じられ、外に出る出入口のドアーを開けると外は真っ暗なので、すぐに懐中電灯をつけてお風呂場まで行って、お風呂場の電気をつけて浴槽に入った時が一番怖かった様な気がします。

 

そして換気のために窓を少し開けた時は誰かがいるんじゃ無いかといつも気にしていましたし、雨の日や風が吹いている時は本当に怖わくて最悪でした。

 

堀之内火葬場をたて直してあと昔から働いていた職員の人に「昔はよくお風呂を使わせて貰っていたけれど、夜お風呂場に行く時もお風呂に入っている時も、帰って来る時も本当に怖くて怖くてしょうがなかったんだ」と話したのです。

 

そうしたら「火葬場のお風呂に入っていた葬儀屋さんは、中村社長だけでしたよ」と言ってから、「夜は、怖わくて誰も入れなかったと思いますよ。でも中村社長は根性がありますね」と言われたとき、何かいい思い出が出来て良かったと思いました。

でも堀之内火葬場のお風呂は本当に恐くて怖ろしかったお風呂でした。

 

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