「日葬祭典 回想録」は「葬儀の話」「ヤクザの話」「雑談」の3本柱で書き込みをしています。

 

杉並区立「松ノ木中学校」の前の店舗付き住宅を借りて「日葬祭典株式会社」の本社にしていたのですが、住吉会の葬儀をやる様になって資金的に余裕が出来たので、、京王井の頭線「久我山」駅から三鷹方面方面に向かって「〒久我山郵便局」の前を通り過ぎて5~6軒先の人見街道沿いに小さな4階建てのビルを購入して、「日葬祭典株式会社」の本社を移転しました。

 

暴対法が強化される迄当社は「住吉会」本部の指定葬儀社を30年近くやっていました。朝1番で警視庁捜査4課の住吉会担当の刑事さんから向後睦会    四代目 熊川会長の葬儀社の事で電話がかかってきて本社は非常に慌ただしい雰囲気でした。

 

その為に本社から徒歩で5分位の所にある京王井の頭線「久我山」駅前のコーヒー店で少し休んでから、葬儀の準備を始めました。

 

今日は葛飾区にある四ッ木式場で「稲川会」のヒットマンに射殺された、「住吉会」向後睦会四代目 熊川会長のお通夜で、熊川会長は「住吉会」会長 西口親分の出身一家の向後睦会の四代目組長でした。

 

亡くなった向後睦会四代目 熊川会長は「住吉会」では組織委員長の要職につき、いずれ「住吉会」 会長候補の最有力幹部でした。

 

熊川会長は10年近く西口組長の運転手兼ボディーガードをやっていましたので、10年間は1度も休んだ事が無いのです。この頃からいずれ「向後一家」の跡目を継ぐ事は組員が知っていました。

 

それに「住吉会」西口会長も向後睦会四代目 熊川会長の事を可愛がっていました。時々一家葬の時に会葬御礼の挨拶をさせるのですが、熊川会長の側に付いていて小さな声で挨拶の言葉を教えていました。

 

「住吉会」西口会長がこの稲川会との抗争事件が起こった直後に、向後睦会の組員や「住吉会」の各一家の総長に稲川会に対して報復を禁じていました。

 

それに葬儀を行なう事も向後睦会の事務局長から連絡があったので、私はJR中央線「高円寺」にある葬儀式場に借りられる様にしておいたのです。

 

この当時はまだヤクザの葬儀でも規模が小さければ貸してもらえる一般式場があったのですが、ヤクザの抗争事件の葬儀の場合は、火葬場の葬儀式場はもとより、一般の葬儀式場も貸してくれるところはありませんでした。

 

それに西口親分は全国の稼業の人達の間では、西口親分の事を通称「高円寺」と呼んで言ました。

 

それに向後睦会の本部事務所や、「住吉会」西口会長の自宅と住吉会の本家が同じ敷地内にあったので、熊川会長の葬儀はJR中央線「高円寺」にある葬儀式場で行なわない訳にはいかなかったのです。

 

それに警視庁捜査4課からは規模を小さくして、葬儀は家族葬でやる事と、お通夜の日には警視庁捜査4課からは会葬者の人数を制限されました。

 

また警視庁捜査4課から「中村さん、今日の熊川会長の葬儀には、50名の警察官が胸に白いハンカチを入れて目印にして、葬儀式場の側にいますから」と私に伝えてきました。

 

直ぐに「住吉会」向後睦会の事務局長にその事を伝えて、向後睦会の組員の人数も50名にしてもらいました。そして組員の人達の胸にも白いハンカチを入れて貰らって、葬儀式場の周りに立っている事で警視庁の捜査四課の了解を貰いました。

 

何となく独特の雰囲気の家族葬でしたし、組員も捜査4課の刑事さんも緊張しているのが感じられました。

 

お通夜が始まる1時間前に「住吉会」西口会長が葬儀式場に来て、すぐに私が呼ばれました。西口親分の所に行くと 「中村、お通夜が終わったら2階の部屋を使いたいので、何処かの部屋を用意してくれないか?」と言われました。

 

少し考えてから「僧侶控室なら和室で7~8名の人が入れますし、私が入口に立って誰も近ずかない様にしますから」と言ったら「そこにしょう。 じゃあ頼んだぞ」と言われたのでお寺さんにお経が終わったら直ぐに帰って貰う事にしました。

 

葬儀は一般葬と同じ様な家族葬でやりました。西口会長の兄弟分が来ていたので2階で何か話し合いがあると思いました。

 

その為に私が1ばん信頼のできる配膳の女性1人にお茶とお茶菓子を用意して貰って、西口親分が何時に来ても大丈夫な様にしておきました。

 

お通夜が終わって午後7時ちょと前に西口親分の、浜本兄弟会のメンバーが西口親分を先頭に2階の僧侶控室入って来て15分位経ったら全員帰って行きました。

 

そして10日位経ったら、住吉会と稲川会の抗争事件の手打ち式がありました。おそらく熊川会長のお通夜の時に、2階の僧侶控室で西口親分の兄弟分の人達に稲川会との手打ちの話をしていたんだ、と思いました。

 

この葬儀で一番印象に残ったのは僧侶控室から小さな声でときどき聞こえて来る声が、お互いに名前を呼ばないで兄弟、兄弟と呼びあっていたのが何とも言えないくらい印象的でした。

 

西口親分の兄弟分で各団体の総長の重要な話し合いの側に居られる事が出来たのですが、とにかく緊張をしました。

 

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