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 表題の件ですが、実は多くの方が誤解していることがあります。読書では国語力は身につきません。もう少し正確に表現すると国語テストで点数を取る力は、読書量が効果的な場合と逆効果な場合があります。不思議でしょうか?もちろん語彙力を養うという点で読書は非常に有用です。総合的に判断すれば読書は国語テストに有用です。慣用句や古い言葉などは読書をしないとあまり出会いません。ですが一方で、読書に慣れてくるとストーリーを先読みしたり、主人公の気持ちを代弁したり、登場人物に成り代わった自分の気持ちが出てきてしまいます。そうしないとその世界に没頭できないからです。

しかし国語の問題を解くうえで、出題者が出す問題は、本文に必ず根拠となるような一文、または表現がある事が前提になります。しかし本をたくさん読んだ経験が、えてして登場人物の気持ちを過大に受け止めたり、書いていないことを自身で付け加えたりすることがあるのです。なぜなら読書は行間を読むことが楽しさの一つだからです。それは読み手に与えられた最大の自由であり、書かれていない部分を予想する楽しさがあるわけです。物語の結末がどうなったかわからない書き方をする小説が多く存在するように、登場人物の後日談を自分で考えることは皆さんも経験があるでしょう。しかしこれを国語の問題にすることは不可能です。自由作文として「お話の続きを書きましょう」は小学生によく出題されますが、正解はありません。

 大学受験の国語講師で有名な出口汪氏がよく「先入主」という言葉でこのことを解説していますが、読書好きが国語で失敗する人は、この先入主が本文に書かれている内容を越えてしまうから起きます。ちょっと大げさな解答というものは、国語問題で定番で出されるひっかけです。だから読書と国語問題は切り離して答える訓練が必要なのです。では国語力を測るうえで何が最も良いかと考えると小論文が最適解になるのです。論理的に結論に至る過程が全て込められるからです。