ジャニーズ所属グループ NEWSの加藤シゲアキ作の6作目の小説 オルタネート

エッセイ集 「できることならスティードで」を割と気に入ったので、予約して購入。
ややガーリーな表紙に驚くが、内容が高校を舞台とした青春群像ということで、まあ、納得。
中央のホログラムも作者のこだわりということ。
 
作者が出演するテレビ番組「タイプライターズ」であらすじなどが紹介されていたが、先に情報を知ってしまうのが嫌なので、録画の再生を慌てて止めた。
 
内容はオルタネートという高校生のみを対象としたアプリを道具として、そのエキスパート、それを拒否する人、使いたいけど使えない人の3人を中心とした群像を描いていく。
 
最初は離れていた各々のグループがだんだんと近づいてきて交流していくところが面白いし、それを混乱させずに描いていくところは、スティードでも感じたが、優れた構成力だと思う。
 
電車の中で読んでいて、ちょうどコンテストのシーンあたりだったこともあり、降りるのを忘れるような引き込む力もあった。
 
ただ、会話シーンや独白シーンの間に、カラスや猫を使った描写で、心理を表現しようとするのは、あまりにありきたりで工夫がないように感じる。
 
また、各々の人物の問題の解決と成長を感じさせて終わる最終章(「出発」)も、終わり方としては物足りないように感じる。
 
料理やドラム・ギターのシーンなど会得した豊富な知識をもとに描くシーンの迫力はさすが。
 
★★★半
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