ジャニーズ事務所に属するNewsの一員の加藤シゲアキのエッセイ集 
できることならスティードで

個人的な情報網で、この本が出るのは知っており、また彼の書いた小説も読んだことはあるのだが(閃光スクランブル)、買うのはどうしょうかなと思っていたところ、週刊朝日に先出しで掌編小説が載るということで買ってみるとこれがいい出来なので、本も買ってみた。(マーケティング戦略に完全に乗ってしまった)

面白い作品だった。4年越しの連載を本にしたものなので、最初の方など硬いところとあるけど、中に入っている掌編小説三本と、Last tripの構成が素晴らしく、とても気持ちがいい。

エッセイも、ああ頭がとてもいい人なんだなと思うけど、人柄が反感を呼ばず共感を呼ぶ。

多種多様な知識と好奇心が無駄にならずに、彼を作ってきており、またこれから作っていくのだろうと信じられる。(羨ましい) 

それはそれらに対する、彼の謙虚な、そして確固たる信頼がもたらすものであり、また彼の自分に対する信頼がもたらすものだろう。その信頼も、もがいてもがいて得たもののようだが。

ジャニーズ云々なく、先入観無しで、読んで良い本だと思う。

個人的には、Trip13 無心
が好きです。 題名の付け方も、最初の入り方も、終わり方も、全てが気持ち良い。

★★★★半