変わっていく、家族〜その76〜 | ぽんこたつ欲しいみかんの毎日気分は凸凹~生きてるからこそ~

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母の介護、父の死をきっかけに2016年にうつ病になったことから、転職を繰り返し、仕事社会から離れて今は生活保護で暮らしています。家族のこと、日常の出来事、病気やメンタル、伝えたいことや空想、情報など思うまま綴るまとまりのないブログです。

今日を、迎えられたことに、感謝。



過去のことを振り返るブログを書いています。


ご興味のある方は読んでみてください。





(続き)

父の葬儀は、2日後に、本当に親しくしていた親族のみで、一日葬で執り行われることになりました。

仕事は1週間休みをもらいました。

父を乗せた霊柩車には、自分しか乗ることが出来ず、母は叔母がお寺に送ってくれることに。

お寺に着き…

信じられない位小さくなってしまった父の入った箱を、畳の部屋に…


こんなに、こんなに、小さく、細い箱に、父が…

葬儀屋と叔父が到着し、自分と母を交えて打ち合わせをしました。


父が亡くなる前日に、母から納得のいかない頼みごとをされていました。

自分に、喪主を努めてほしい…と。

言われる気がしていました。

事実、動くのは自分…だけど、それはおかしい。母に反論しました。

しかし、母はどうしても、と繰り返すばかり。

そのことを叔父に聞かれ、

母が自分を見ました。

「…母が、自分にやってほしいと……」


「いやいや、それは駄目でしょ。奥さんがすべきだよ」

叔父は、即効否定し、母を説得しました。

母は、さすがに叔父に言われては、断ることはしませんでした。

当然…きっと、父だって反対する。

自分は、少しほっとし…



「今夜は、どうする?」

父と一緒に過ごせるか聞かれているのを察しました。


普通なら、親族が付き添うのが当然。

しかし、母がいる。


慣れない場所で一夜を過ごすことは、かなり厳しい…

こんな夜に、母をひとり残してここにいるのも…

「母のことがあるので、ここに泊まるのは出来れば避けたいのですが…」


叔父は承知している顔で

「わかった。俺はすぐそばだし、ここに残るよ。お母さんの側に居てあげて、また明日来てくれる?」

「はい」

自分は、申し訳ないけれど、叔父に父をお願いし、自宅に戻りました。


その間に相方に連絡をし、明日の夜までに来てほしいと伝えました。

親戚の人達にも。


役所で必要な手続きをし、公共料金や銀行での手続きし…

考えてるひまもないほど、あわただしく時間が過ぎていきました。


合間に御近所に電話連絡や、挨拶をしました。

皆一様に、信じられない…という表情をしていました。


その夜。

叔父と、叔父の兄が父に付き添ってくれました。


叔父と叔父の兄は、何年も交流がありませんでした。

ふたりの間に入っていたのが、父でした。


「お父さんが、あのふたりをひきあわせてくれたのかもね…」

母がポツリ、そう言いました。


仲良くやれよ。


そう言ってる、父が浮かぶようでした。


翌日は、自分だけお寺に出向き、葬儀の前の儀式に立ち会いました。


叔父と、叔父の兄が隣に座って話をしている…

一体、こんな光景は何年ぶりに見たんだろう……


昨夜は。

きっと、兄弟3人で。

つもりつもった話をしたんだろうな…


悲しみの中に、ひとつ…

ほんの少し、あたたかい気持ちになりました。


(続く)