コロナ終息でインバウンドが戻り始め、
厳しい状況が続いていた百貨店にも、
ようやくお客様が戻って来ているようです。
とはいえ、
残念ながら、
百貨店苦戦の流れを止めるほどにまでは行かないだろうなぁ・・・。
そもそも、
百貨店は、
日本の小売業の最高グレードを担っていた存在。
お中元やお歳暮を買う店、
入学式などの改まった時に着る服を買う店、
家を新築した際などに家具や家電を買う店、
特別な時に食べる食材を買う店、
だったはず。
ところが、
1970年代には、三越がダイエーに小売日本一の座を奪われ、
1980年代には、ダイエーが売上1兆円を達成するようになり、
そうした中、
百貨店もその売上獲得競争に巻き込まれていった訳です。
百貨店は、
グレード競争をすれば良かったのに・・・。
上手に住み分けを考えたら良かったのに・・・。
わざわざ得意とは言えない価格競争を始めてしまった訳です。
競争の末、
百貨店の商品も、
国産の高いものではなく、海外産の安いものに置き換わり、
社員を削り、パート化・派遣化が進んで、
専門性の高い人材はいなくなり、
エレベーターガールなどのサービススタッフも削られていく。
こうして最高グレードの小売店が消えていった訳です。
一億総中流と呼ばれた日本社会も、
資本主義が進む中、当たり前の様に二極化が進みます。
これによって、
所得水準の低い人は、安くないとならないので、
価格競争が進む量販店・ディスカウンターの存在はありがたい。
でも、
高くても良いものが買いたいと考える所得の高い人には、
日本には、買いたくても、買える店がない訳です。
もちろん、市場全体としては、
”安い方が良い”と考える消費者の方が多いことは事実。
でも、
そこは価格競争力の高い小売業が他に既にある。
都心の一等地にある規模の小さな百貨店が、
郊外にある大規模量販店に価格競争で勝てるはずは無い。
だからこそ、
自らの役割を”高級”に大きく振っていく必要があるのではないかと。
菓子業界も一緒。
”安い方が良い”というニーズを持つお客様には、
既に量販店・コンビニ・大手菓子メーカーが、
二重・三重に網を掛けてしまっている訳です。
我々が目指すべきは、
所得水準の高い人が求める高価な菓子
普通の人が一年に一度、数年に一度、一生に一度食べたい
特別な菓子であるべき。
だから、
今後、”高付加価値化力”こそが、
菓子専門店の生き残りを決める重要ポイントとなるのです。
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〈鈴木〉