以前のキック界は試合当日計量が主流でしたが、
前日計量が主流となってから、
僕は水抜き減量の幅を少しずつ増やし、
現在の5日~1週間程度で調整する『水抜き一気落とし』減量法を確立させました。
これにより減量という格闘家最大のストレスを最小にとどめ、
常に我慢や忍耐ばかりの、
それがまた美徳とさるのかもしれませんが、
格闘家のQOL(生活の質)を飛躍的に向上させました。
水抜き一気落とし減量法、
その体重減の内訳はその名の通り水分量であり、
一時的に水分摂取を我慢したうえ多量の汗をかいて身体から水分を抜き、
計量が終われば水分摂取してすぐに戻すというものです。
こちらのカレンダーをご覧下さい。
これは去年10月8日に行われた64kg契約、前日計量の試合の前の月のカレンダー。
9月8日の試合後から、
多少の増減はあるにせよ、
概ね71kg前後で推移しているのがわかる。
そして計量6日前から、6.4kgほどの体重を6日間とその計量当日、前日で一気に落ちているのがおわかりだろう。
これこそが『水抜き一気落とし減量法』である。
それに対し、『徐々に落とし減量法』の内訳は筋肉と体脂肪であります。
なので、比較的長い期間の食事管理が重要になります。
長年のキャリアから『水抜き一気落とし減量法』を確立させ、
階級制アスリートのQOLを向上させた僕でしたが、
変革を迫られました。
2019年、『ONE Championship』の参戦です!
『ONE』は過去に過度の脱水による減量で死人を出してしまった事による猛省から、
過度の減量を禁止しています。
具体的には試合2日前と試合前日と2度計量と共に尿検査を実施し、
脱水濃度もチェックし、ウエイトと濃度数値を両方2日ともクリアしないといけないのです。
初参戦となった3月8日はONEの水抜き禁止規定の計量にびびり、フェザー級(70.3kg)で試合をしましたが、
やはり自分はバンタム級(65.8kg)の階級になる事を決意しました。
試合後1週目の平均値が70.44kg、
2週目 - 69.27kg
3週目 - 69.68kg
4週目 - 68.82kg
5週目 - 68.91kg
6週目 - 67.3kg
7週目 - 66.9kg
こうして徐々に落として水抜きなしに65.8kgをクリアした訳です。
前述した通り、徐々に落とし減量法の内訳は筋肉量と体脂肪量によるものです。
なので計量が終わったからといって一気に体重が増えることもありません。
増えたとしたら、それは筋肉や体脂肪でなく、お腹の中の食べ物であります。
簡単にまとめてみました。
科学的根拠はなく、あくまで僕の考えです。
【水抜き一気落とし減量】
<メリット>
・筋量はあまり低下しない。
・元気なので、計量前の水抜きまで試合の為の追い込んだ練習が出来る。
・筋量、脂肪量にあまり変化ないので、計量後はわりかしすぐに通常時の体重に戻る。
・短期間で同じ階級での試合が出来る。
<デメリット>
・脱水症状なので、下手すると命の危険がある。
・短期間で一気に落とす為、慣れてないと失敗のリスクが高まる。
・一気に落とせると過信し、日ごろの体脂肪の管理が散漫になりがち。
【水抜きしない徐々に落とし減量】
<メリット>
・体脂肪が落ちる。
・脱水に頼らない為、健康的に体重が落ちる。失敗のリスクが少ない。
・長期間による忍耐を要する為、試合の気持ちの重さが試合に出る(気がする)。
プレイヤー、そしてマネジメントする会長はマッチメイクするにあたって以上の事を勘案すべきである。
ちなみに僕は月一健太とて2年間で年間10試合ずつ試合した結果、
見事にサイズダウンしています。
もうウェルター級で試合をするには、しっかり身体を作り直す期間が必要でしょう。