初めての逆オセロマッチとなったこの試合。
正直対戦相手のジャオウェハー選手の怖いものはヒジだけと思ってました。
ただそのヒジが怖すぎる。
のしのしと前進し間合いに入り、接近したら体当たりする様に渾身のヒジを強振する。
そこに躊躇はない。
ガードがうまい訳でも、目がいい訳でもない。
顎だけしっかりひいて、やるかやられるかの間合いにぬ~っと平気で入ってくる。
恐怖心のネジが外れている。
闘いには恐れない勇気は確かに必要だが、
本当に強い者は怖さを知っている。
この選手はある意味キマッてる。
恐らくタイ人同士のムエタイの試合ではギャンブルが成立しないのではないか。
彼の主戦場がタイ人VS強豪外国人のムエタイイベント『MAX MUAY THAI』であるのもうなずける。
ヒジが炸裂すればいいが、判定までいって勝てるイメージがない。
それでもラジャラムダン王者にもなったジョイシーを1Rにヒジで切ってTKO勝ちしてしまうのだから、
相当この手の戦いをものにしている。
やっかいな選手だ。
こういう選手には意識を断ち切るしかない。
僕の不得手な分野でもある
でもキックボクシングには一発TKO出来るヒジがある。
「僕が勝つ確率が高い戦略がヒジである」
と、試合前に発言したのはそういった真意である。
などなど考えならがも、いつも通り特に作戦は立てずに試合開始。
試合序盤、予想通り、僕のコンビネーションからのローキックに対応しきれていない。
逆にジャオウェハーのパンチ、キックはスピードもなく、もらう気がしなかった。
カット、キャッチ、スウェーからのリターンのキックなど、僕の方がタイ人みたいだ。
顎を引いて手を前に出すムエタイディフェンスの弱点、アッパーも左ボディからのローキックもミット打ちのように当たる。
圧力も思った程感じず、早くもローも効かせ、脚を上げ始める。
ロープに詰めてコンビネーションの打ち分けから、フィニッシュブローを探るシーンも。
正直な話、試合中にこんな事さえ思ってしまった。
こんなもんか?
このまま圧倒したら、金魚のタイ人連れてきたってお客さん勘違いしないか?
そんな心配さえしてしまった。
なんと愚かな。
3R、ジャオウェハーの圧力は一段と強くなってヒジを強振してきた。
ヒジをダッキングでかわす、または頭ずらして右フック、右ヒジを合わせるほど僕は見えていた。
タラレバを言えば、リーチをいかしたジャブやローキックで削り、圧力はフットワークを使ってかわせばよかったのかもしれない。
そしてまだまだスタミナも全然あった。
何だろう。
欲が出てしまったのかな。
僕も縦ヒジで応戦してしまった。
まだ早かった。
そして何度かダッキングでヒジをかわした後、
最後はショートの縦ヒジをガードの隙間から入れられてしまった。
本当にその一撃だけだった。
流血は止まらずドクターストップ。
近くで見るとよくわかるジャオウェハーの無数の傷跡。
ローやアッパーで顔をしかめても前進をやめず、最後は呻き声をあげながら攻撃してきた。
警戒していても、それを当てる戦士ジャオウェハーに感服しました。
そして警戒してるのにもらってしまう自分の情けなさに失望しました。
コンディションもよかった。
技もキレてた。
精神が未熟だった。
心技体の充実。
僕みたいな凡人がこの世界で生きていくのに必要不可欠。
もっとコンプリートファイターを目指して出直します。
たくさんの応援ありがとうございました。
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激励賞ありがとうございました。
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