先日、京都で開催中の「モネ 睡蓮のとき」に行って来ました。

モネは印象派(19世紀後半のフランスで起こった芸術運動)を牽引する代表的な画家で、モネと言えば「睡蓮」というくらい、睡蓮を沢山描いた画家です。今回のモネ展は白内障を患ってからの、晩年の作品を中心に約50点が展示されていました。しかしぶっちゃけ私はこれまで。モネの睡蓮の良さが、いまいち分かっていませんでしたあせる

実存するものと水面に映る睡蓮や柳や雲、これらが混じり合う世界。しっかり区別出来ない感じがこれまでの私には落ち着かなかったのかもしれません。

しかしそれこそがモネが表現しようとしたもの。
それが彼の真骨頂なんだと。
今になってようやく、理解出来るようになってきた気がします。

実像と鏡像(虚像)。
私達の世界には、虚像が実像のごとく扱われている事だってある。前回紹介した映画「ウィキッド」もこのテーマを扱っていたじゃないか❗
捉え方も人それぞれ。真実は人によって異なる。
2つは相反するものではなく、すぐ隣にあるものなんだと。
モネの睡蓮の絵が教えてくれている気がしたのです。

モネと言えば絵を買ってくれていたパトロンの奥さん(後にモネと再婚)とのダブル不倫が公然の秘密だったそうで。病弱な奥さんは胸中穏やかではない中、32歳という若さで亡くなってしまう。
モネはそんな先妻への懺悔の気持ちから睡蓮を描くようになったのではないかと、「めちゃくちゃわかるよ!印象派 山田五郎 大人の教養講座」*では考察されていました。

なるほど。実に興味深い考察です。
晩年は先妻への想いと共に、再婚した妻とも死別した喪失感、失われていく視力。色んな事を抱えながらも彼は最後までこのテーマに取り組み続けたんだろうなぁ〜って。そんな事も考えながらの鑑賞でした。

「モネ 睡蓮のとき」は2025年6月8日まで京都市京セラ美術館にて開催中です。
興味を持たれた方は春の京都散策がてら。美術館にも足をお運びくださいウインク

 *引用した本