今回はセリグマンら(1967)による「学習性無力感」に関する実験について、お話したいと思います。
30匹のワンちゃん(10匹ずつの3グループ)に協力して貰い、実験1日目です。
ワンちゃん達はみんなハンモックに乗せられ、体をベルトで固定され、顔の周りにはパネル(板)、後ろ足には電流の流れるコードが装着されました。
そして「逃避可能群」と呼ばれるワンちゃん達には電流コードから90秒の間隔で64回、ビリビリ電流が流されました。しかし顔の周りにある反応パネルに触れると、それを止める事が出来ました。
「ショック経験無し群」と呼ばれるワンちゃん達は、足に電流コードを装置されているものの電流は流されず。ただハンモックの上で固定されていただけでした。
「逃避不可能群」と呼ばれるワンちゃん達にはビリビリが来ました。しかし自力で電流を止める事が出来ません
。「逃避可能群」のペア犬が止めてくれなければ、ビリビリは止まりませんでした。
つまり「逃避可能群」「逃避不可能群」のワンちゃん達の受けた電気ショック量は同じです。ただ自分で止められたのか、相方のワンちゃん次第だったのか…という違いがありました。
それから24時間後。2日目の実験です。
全てのワンちゃんが真ん中についたての付いた、小さな箱の片側に入れられ、10秒間のチカチカ信号の後、床からビリビリが50秒。これが10回繰り返されました。
今度はどのワンちゃんも同じ条件で、ついたてを越えて、隣に移動すれば電気ショックが回避出来ました。
「逃避可能群」「ショック経験無し群」のワンちゃん達は、最初のうちは電気ショックをくらうものの、だいたい3〜4回目でチカチカ信号のうちに隣へ移動出来る様になりました。
ところが「逃避不可能群」のワンちゃんの10匹中8匹は、電気ショックを受けるがままで、逃避行動を一切取らなかったのです
「自分の力ではどうにもならない」体験が、次は対処可能なストレスであっても「どうせ無理」と思い込み、何も策を講じれなくなってしまうのです
ワンちゃん達が体を張って教えてくれた「学習性無力感」(無力感を学習する)。
みなさんは大丈夫ですか❓
無気力で何もしたくない。
そんな時は、まず休養してください。
焦る気持ちをなだめて、しっかりエネルギー・チャージしてください。
まずはそれを一番で、お願いしたいと思います。