先日、非常勤講師をしている大学で、アルコール依存症の話をしようと思い、「CRAFT-アルコール・薬物・ギャンブルで悩む家族のための7つの対処法」という本を本棚から引っ張り出してきました。
夫が仕事をクビにならない為、お酒を飲んで翌朝起きれない夫に代わり、体調不良で休む旨を会社に連絡する。夫が酔って暴れて壊した物を妻が片付ける。
こうした尻拭い行動は、お酒を飲んでも本人は「困らない」ので、飲酒行動は無くなりません。
この様な、良かれと思ってやっているのに、結果的に相手の問題を進行させてしまう行動の事を「イネイブリング」と言います。ギャンブルで借金の肩代わりをしてあげる行為も「イネイブリング」です。この本は、こうしたイネイブリングを見直す、ワークブック形式の本となっています。
ちなみにお酒を飲んで帰ってきた夫に、「もう飲まないと約束したじゃない」と正論をぶつける行為も、イネイブリングです。なぜなら「正しい事を言われた人」が取りがちな行動は…
耳を貸さずに無視する
感情的に反発し、反論する
自分を守るため、攻撃に出る
だからです。
相手の間違いを正したくなるのは、人間のサガですが、正せば行動が修正されると思うのは、マチガイです
何度言っても効果が無い場合は、言い方を変える(「私は、約束を守って貰えなくて悲しい」など主語を自分に変える)や、小言を1つに絞るなどの工夫が必要でしょう。
みなさんは、お酒、薬物、ギャンブルに限らず、相手にやめて欲しいと思っているのに、やめて貰えず困っている行動はありませんか❓
講義の準備の為に引っ張り出してきた本でしたが、私が己のイネイブリングを見直すきっかけとなりました
みなさんの周りの問題行動も、イネイブリングの視点で見直せば、解決の糸口が見えてくるかも知れませんよ