私が小学生の頃は、ランドセルの色は男の子は黒、女の子は赤と決まっていました。それが今では各々が好きな色のランドセルでの登校が当たり前となりました。ここ数年は中学生の制服事情も変わりつつあります。
男子は詰め入り、女子はセーラー服だった時代から、男女共に上はブレザー、下は男子はみんなスラックスを選択しているものの、女子はスカートとスラックスのどちらでもOKが主流となってきました。私が勤務する中学でも、女子のスラックス姿をちらほら見かけます。
私はこれまで。幾度となく心と体の性の不一致に悩む人達から、ランドセルや制服にまつわるトラウマ話をを聞いてきましたので。こうした流れは大歓迎![]()
実は心と体の性が一致しない人への見解は、世界的にも大きく変わりました。
かつては「性同一性障害」と診断され、病気(精神疾患)と捉えられていましたが(*ICD-10)、現在は性自認そのものが病気ではないと考えられています。体の性と心の性が一致しないことによる「苦痛」や「困難」を和らげるための医療的・社会的サポートの必要性が認識されるようになってきたのです(*ICD-11)。
こうした世界的な動きを知らずとも。実際の中学生の間では、性自認に関する捉え方が変化してきている様に思います。
スラックスを選択した女子生徒の中には、心と体の性が異なる生徒もいて、以前よりはそれを自他共に「そんなもの」と受け入れる空気が生まれてきつつあるように思います。
そもそも。男性か女性、どちらかの性に自分を当てはめて考えない生徒も増えてきました。私の性別は〇〇と、自分の名前で表現した生徒が居ました。「カッコいい」ですよね❗私の場合だと「性別はいーちゃん」という感じですかね![]()
増えてきたというか、そう言っても大丈夫な社会になってきた…という方が正しいのかもしれません。
生まれてきた性別で、「男らしく」あるいは「女らしく」生きることを強要される社会が緩和されつつあるのでしょう。
性自認で苦しんでいる人はまだまだたくさん居ます。
だけどこうやって社会が変化する事で、「ありのまま」の自分で大丈夫だと思える人が一人でも多くなると良いな…って。私はそんなふうに思うのです![]()
※ICDとは、世界保健機関(WHO)が定めた疾病分類で、2022年よりICD-10からICD-11への移行が進められています。