そういえば、子育てで後悔というか子供にとってとても可哀想なことをしてしまったなと思う事があります。上の子が2歳くらいのときでしょうか、機動力も上がりうろちょろ、体力もついて夜も遊びだす、といった事が続いたときでした。多くの人が心当たりがあると思いますが、「怖がらせる」というテクニックを使ってしまいました。

そうです、クラシカルスタイル/トラディショナルスタイルともいえる、「おばけが来ちゃうよ!」というフレーズです。それでも聞き分けないときは、「あ、おばけが迎えに来た!」というフィニッシュブロー。元々ビビりだった自分の子供はビビリにビビって、それ以前より暗闇などを怖がるようになってしまいました。多くの子供が経験していることかもしれませんが、やはり必要以上に怖がっている子供を見ると、とても心が痛みました。5歳となった今では、夕方になっても公園に帰らないときなどは「夜になっても外にいると変なおじさん来てしまうかもよ!」と少し現実に則してどちらかというと注意喚起に近いかたちで説得するようにしています。

自分はおばけや幽霊は見たことがないのですが、小学生の頃に風邪で高熱を出した際、何度も幻聴と幻覚がありました。夜、母親や兄弟と同じ部屋で寝ていたところ、何やら話し声が聞こえてきました。男同士の怒鳴り合いで、聞こえてきたのは、
「こいつは俺が買うんだ!よこせ!」
「何をいってるんだ!俺だ!」
「ジャンケンで決めさせろ!」
という内容で、なんと自分を取引しているのです。冷静に考えるとジャンケン云々のくだりはちゃんちゃらおかしいのですが、恐怖も恐怖で慌ててその部屋を出ました。部屋を出ても暫く声は聞こえてました。
その後、父親が寝ている部屋に移動し、怯えながらも眠りにつこうとしたところ、なんと、今度はふすまの方からバスケットゴールや座布団が突如あらわれて次から次へと飛んでくるのです。ボールならまだしも、ゴールが飛んでくるわ、バスケットよりもサッカーの方が好きだわ、でなす術もなく「これは無理だ」と思い、腹を括って寝ることにしました。
翌朝、親に聞くと勿論そのような現象は誰も体験しておらず、といったところでした。

幽遊白書のような、ぬ〜べ〜的な、そんな力があればカッコイイなと思いつつもあれはあれで色々大変なのかしらと考えさせられた出来事でした。