瞬きで揺れる君のまつげが良い

瞬きで揺れる君のまつげが良い

可愛いとか可愛くないとかそんなんじゃない

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25. Mind Out Wandering / Astronauts, Etc.

f:id:xxbootsstrapxx:20151226084315j:plainToro Y Moiバンドのキーボード担当。 心地よいファルセットボイスと鍵盤。絶妙なソウルフレイバー。個人的には本家より聴きました。1月に一緒に来日してくれるっぽいので前座でもなんでもステージみたいっすね。

24. いぬねこ。青春真っ盛り/ わーすた

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本当に申し訳ないんだけど、毎年、これだけは勘弁してください。でも、わーすた、理屈じゃなく良いんですよ。決してネタではありません。まっさらな心でアイスト最高傑作と向き合ってほしい(真顔)。

23. EP / D.A.N.

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チル、ダウナー、生楽器、ミニマル。xxbootsstrapxxを構成する四大要素が詰まっていて最高でした。キャッチーでメロウな歌がのっていきながらクラブミュージックをバンドサウンドに昇華しています。エンジニアとして、トクマルシューゴ 、蓮沼執太、葛西敏彦(森は生きている)が揃ってるんじゃ良いにきまってるやろ。

22. RYUTist HOME LIVE / RYUTist

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やっとRYUTist のアルバムが聴ける幸福よ。いつまでも色褪せないエヴァ ーグリーンな曲とピュアネスなメンバーが詰まった1枚。本作を傑作たらしめた決め手は、数多くのライブで歌い込んできて、しっかりと歌をものにした4人が、聴く者のハートをつかんで離さないということ。来年は新潟いくぞ~

21. 4 Walls / f(x)

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今年のSMではベストでしょ。ディープハウス系EDMにチャレンジしてばっちりハマッった感じですね。シンセポップやラウンジミュージックなど幅広いエレクトロニックサウンドが聴けるのも良い。でも、「Hot Summer」みたいな明るいトイポップ な路線も好きだったりするので来日公演が楽しみ。

20. The Sound Sounds. / TWEEDEES

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ポスト渋谷系 と謳われていたCymbals の元ベーシスト、沖井礼二が女優の顔も持つ新進シンガーの清浦夏実 と始めた新バンドTWEEDEESのデビュー盤。ノスタルジックかつノーブルなポップスが満載…と思わせ、実はサウンドそのものはロッキンかつ相当にエッジが立ってたりする。ある意味、過激な試みを洒脱に聴かせるセンスは流石。ジミヘンのコピーなんか絶対誰がやってもこんな感じに仕上げられないんだよな。涼やかな歌声の魅力とともにふたりが仕掛けた小粋な遊び心を是非。

19. B4.Da.$$ / Joey Bada$$

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「1999」ミックステープの時は17歳。当時から90sマナーのヒップホップを展開してきたPro EraのJoey Bada$$。現在、20歳。NaSIllmatic 」をリリースした時はも20歳って聞いたときはテンションあがるよね。90sアンダーグラウンド ヒップホップを踏襲した渋いトラックが多く飽きのこなそうな落ち着いたトラックに乗るラップは多彩。フローも声質も中毒性あります。スムースにもレゲエっぽくもがなり声も出せるし歌っぽくラップもかませる。リズム感が抜群なんですね。個人的には、「Illmatic「BlackStar」に続くニューアンダーグラウンド クラシック。

18. Your Face / Venetian Snares

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カナダ・ウィニペグ 出身のブレイクコア ・アーティストAaron FunkによるプロジェクトVenetian Snares の新作。お得意の超高速ビートと、アシッド音を全面に押し出した変態ブレイクコア ・サウンドが詰め込まれた期待通りの内容。ゴスからエキゾまでなんでも飲み込んでハードコアにブン回すその才気はホント衰え知らずっすわ。終始ずっとキマれます。

17. Wake Up, Best! / Wake Up, Girls!

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アニメ『Wake Up, Girls!』の文字通りベスト盤。「タチアガレ!」「7Girls War」「シャツとブラウス」などの主題歌は基本スタンダードなアイドルソングとして機能し後半になるとEDMや演歌、ミュージカル、トイポップ とサウンドのふり幅が一気に広がり飽きさせない。キャラソンでもあるニャル子さん の曲まで入っていてアニソン盤として充実度は群を抜いて高いです。アニソンはどうも、、、と思う音楽好きの皆さんも騙されたと思って、、、ラブライブ 等のアイドルアニメの入門編としてもおススメ。

16. tick / LONGMAN

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愛媛のパンクバンドの2枚目。シンプルなことをシンプルに鳴らしていることがまず最高。男女ツイン・ヴォーカルの3ピースならばメンバーひとりが担う役割の数は多いはずなのに、難しさや複雑さといった印象を聴き手に一切与えない。カラッとしたテンションの中でキメのひとつひとつがスコーンと決まっていく様子が潔く、非常に爽快でキラキラし、とにかく押し寄せるエモの波がすごい。アイドルの煌めきのそれを凌駕する女性ベースボーカルさわさんの心地よく疾走するパワーポップ は推しジャン必須(猛爆)。メロコア 46、2015年ぶっちぎりのベストアクトです!

15. Year of the Hare / Fucked Up

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トロント のハードコア・バンドFucked Up収録曲2曲のみとなる新作EP。20分に及ぶ1曲目「Year of the Hare」は、彼らが2006年から取り組んでいる中国の干支にちなんだシングル・シリーズ『Zodiac Series』の一環で制作された曲で今回は”ウサギ”がテーマとなってるそう(全然ピンとこない)。激しくて、がさつなハードコア・サウンドに、アップリフティングとも言えるほどの高揚感を加えてくれるところがいつもの最高なFucked Upを詰め込んだキラーチューンで年間ベストトラック級のエクスペリメンタルっぷりで脳汁やばいっす。

14. paradise lost , it begins / 吉田ヨウヘイgroup

f:id:xxbootsstrapxx:20151226082959j:plainジャズ、ソウル、ファンク、エクスペリメンタル、オルタナティヴなど様々な音楽を取り込み、超高密度に"吉田ヨウヘイgroupの音"として音像化することが今作では試みられている。そういった意味では、極めて実験的とも言えるし、リズムやグルーヴの面では肉体性が増したロック的な作品と言ってもいいのかも。何度聴いてもその全容を掴みきれない、音楽的好奇心をくすぐられるオリジナリティ溢れるポップスが聴けるバンド史上最高傑作。あと、鍵盤のreddamさん(かわいい)が多分ギターとデキてるっぽくてライブいくと異様に興奮します。(すぐ消す)

13. Chiryu-Yonkers / C.O.S.A

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THA BLUE HERBILL-BOSSTINO と、TOKONA-X の才能を合わせ持つような、力強い存在感。独特の訛りを感じるワードチョイスや発声も中毒性抜群でめちゃくちゃ真似したくなります。全編パンチライン の"知立 Babylon Child"はラッパーの感情がダイレクトに伝わってくるならば嘘も誇張も許されるし、これこそがリアルだと思わせました。CampanellaもそうだけどRAMZAのトラックはエレクトロニカ ヒップホップだったりLAのビートメイカーにも通ずる作風でもありながら現場感あるヒップホップにきっちり落とし込んでてマジ天才かよと。早くライブいきたい。

12. FOLLOW ME UP / 坂本真綾

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真綾さん曰く、「幕の内弁当」のような、前作の「コンセプトアルバム」とは全く異なったアルバムに仕上がっています。シングル曲が多めですが、曲数は15曲あるし、曲順も前半はシングル曲とアルバム曲が交互に並ぶような構成で、アルバムのセオリーをうまくなぞったような曲順になっています。原点回帰のアニソンロックや菅野よう子坂本慎太郎 ×コーネリアス と20周年に相応しいバラエティに富んだラインナップ。
その中で、印象に残るのは、いつも通りの真綾さんの声の美しさと、素敵な歌詞。今回のアルバムは、すっと入ってくるような歌詞があるのが一つの特徴のような気がします。何より、ソングライターとしての真綾さんが手がけた楽曲がアルバムの根幹を担っているのが素晴らしいです。

11. Tuxedo / Tuxedo

f:id:xxbootsstrapxx:20151226083406j:plain 80'sエレクトロ・ファンク を今っぽいR&B の再構築。メイヤー・ホーソーン とスヌープや50 セントのプロデューサーであるジェイク・ワンとのコラボレーション。マーク・ロンソンのUptown Specialと同様の試みだけど、コンセプトの統一感は此方が上。メイヤーのソウルフリークぶりが微笑ましいソングライティングも充実。かつてのブラックコンテンポラリーのフェイク調ジャケットアートにもニヤリ。作り手の思いが過剰に投影されずに、さらっと聴けて気持ちよく踊れるこのカジュアルさが良いんすよね。

10. 1集 - Dark&Wild / 防弾少年団

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韓国の人気ヒップホップボーイズグループ防弾少年団 (BTS )の1st。ストレートなラップとパワフルなボーカルが絶妙のコントラ ストをなすハイブリッドなロックなナンバーが中心で流行りのトラップやメロウジャズもカマしていてヒップホップ好きにも納得の内容。ポップスとしてのキャッチーな緩急を上手く突いているのとダンス好きの中高生が好むLDH 的なバイブスのバランス感がBIGBANGとは違う側面からのアプローチですごく面白かったです。あと絶妙なダサさもグッときたところ。サマソニ でのパフォーマンスも結構格好良かったな。尚、これ以降のカムバック盤はSMに寄せまくるトラックで正直ゴミです(冷静)。

9. Past Present / John Scofield

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今回のメンバーがなかなかすごい。90'sのリユニオンでジョー・ロヴァーノ(ts)とジョンスコの双頭で、リズム隊はラリー・グレナディア(b)とビル・スチュワート(ds)と黄金時代のメンツで胸が熱い。もっともジョンスコのギタープレイ自体は全盛期と比べ60点のデキ。特にワイルドな奔放さやエネルギー感がめっきり落ちている。ただリズムがルーズで独特のラフな味わいがある点は昔と同じ。なによりアルバムトータルの価値としては90点をつけてもいいだろう。楽曲がいいし、アルバム全編に明るく楽しいムードがあふれているのが最高。今まで本格4ビートやフュージョン 、ファンク、ジャムバンド 路線とあれこれ目先を変えながらやってきたけど、本作のようなシンプルでストレートに楽しめる王道路線に絞った「やっぱ、ジョンスコはこれだなー!」といった感じの作品で純粋に嬉しかった。

8. Yume / Helios

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今年のベストオブチル。Keith KenniffのHelios 名義での作品。MerckでレーベルメイトだったTychoとどこか共通するアトモスフェリックな美しいメロディーにミドルテンポのビート。名作「Eingya」の世界観をもう少し開放感あるものにした感じを受けたんですが、なんにせよ、気持ち良い旋律のパターンがこれでもかと放り込んでくる。シンセによって生み出される幻想的なストリングスと、エレガントにきらめくピアノやアコーステックギターが切ない旋律を折重ね、そこにゆったりとしたダウンビートが心地よさと、高揚感を刻んでゆく。今年幾度となく眠れぬ夜をサポートしてくれました。ポストロック好きにもおススメ。

7. Sound & Color / Alabama Shakes

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フロントマンのブリトニー・ハワードが同い年でだいぶ笑っちゃうんですが、ロックンロールの歴史に刻まれるであろう大傑作をだしてきて爆笑しました。ハワード嬢の素晴らしくソウルフルなボーカルと荒々しいシャウトで、その手のロック好きのハートを鷲掴みにしたのではないかと。実際、音は最高。ギターの鳴りは言うに及ばず、それ以上にフレーズの一つ一つがいちいちキマっている。フェスでの映像を見ても確かに演奏も上手でいちいち格好いい。でもそれ以上にフレーズの一つ一つの美しさに聴きいっちゃうんすよね。黒いジャケットが象徴するように、重心をグッと低くしたリズム隊のグルーヴに、ソウル・ファンクの要素を大きく取り入れたギターリフの絡みが、より黒っぽいサウンドを産み出しています。このジャンルで全米1位はダテじゃない。苗場でみしてくれ~~

6. Obscure Ride / cero

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「Yellow Magus」以降、いわゆるネオソウル的ブラックミュージックへの傾倒を深めていったのは周知の通り。今年は国内外でネオソウルが一つのトレンドでしたが、彼らの音楽的興味と時代の音が重なった瞬間が一番琴線に触れました。黒人音楽特有の律動するリズムを体現する一方で、歌詞によって胸の深い部分にまで揺さぶりをかけてくる本作はグルーヴとエモーションの高次の調和を実現し、僕が思う所のソウルミュージックの最良の形を示してくれました。「Summer Soul」を聴いて過ごせた最高の夏に感謝。

5. To Pimp a Butterfly / Kendrick Lamar

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黒人音楽によるポップスのアップグレード、同時に悲しくも顕在化した黒人と白人の差別意識にまつわる闘争、こうした状況において「物語を読む」音楽であるヒップホップからの返答。コンプトンを取り巻く様々な背景云々というより、ロック好きの僕がヒップホップでここまで心揺さぶられたことが何よりの事件。トータル80分もある大作ながら1曲も捨て曲なくすんなりと聴けるのは見事だと思います。まだヒップホップとは何かという知らない人でもおすすめできるし、ヒップホップ嫌いな人でもジャズアルバムとして聴けることもできるからすごいよな。先日みた「ストレイト・アウタ・コンプトン」じゃないけど、N.W.A.に通ずるカリスマ性や説得力、西海岸の新しい王者として歴史を再編させるパワーを感じました。

4. Star Wars / Wilco

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新作のタイトルwww しかも無料DLてwww ナメくさったタイトルとジャケ(可愛い)ではあるが、これがとんでもなく傑作。Wilco の良いとこどりというか、総決算。リフものあり、実験精神溢れるものもあり、キャッチーなナンバーもあり、トータルタイムが長い傾向にあるWilco が全部で34分しかないというのも聴きやすいポイントで、一切の無駄がないということ。変拍子 やノイズも交え、00年代前半に追求していたプログレ ッシヴなバンドアンサンブルにアプローチしながら、それをポップスとしても楽しませることができるのが今の彼らなのではないでしょうか。猫派なのでフィジカルリリ ース速攻で買いました。

3. Blue Avenue / 花澤香菜

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今回もヘッドフォン必聴の声質を大事にしたマスタリングで声豚歓喜。正直、今作のシングル曲は割と大したことないのですが、日本でここまで全曲安定したポップスを出せる歌手はなかなかいない。今回はNYをコンセプトにしたようで、1曲目から、ベースがウィル・リーに、ドラムがスティーブ・ジョーダンという、このクレジットみただけで笑ってしまった取り合わせ。北園みなみの曲も入っていたりでそういう意味ではアルバムとしての遊びといった解釈をすると納得がいく。シリアスさを感じる大人しいナンバー「Trace」、ダンスミュージック全開な「ほほ笑みモード」など完全に彼女のイメージからは逸脱するような曲も並ぶけど、「ブルーベリーナイト」「タップダンスの音が聴こえてきたら」あたりはどっちかというと花澤さんっぽさを感じるかな~。ジャズもAOR も行き過ぎないおかげで最大の特徴である花澤さんの可愛らしいヴォーカルを最大限に活かす本質の部分を聴いてほしい。来年も花澤香菜 さんでガチ恋拗らせていけそう。

2. Poison Season / Destroyer

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The New Pornographersのフロントマンにして中心人物の一人であるDan Bejarによって立ちあげられたプロジェクト。AOR の精神を宿した彩り鮮やかなインディポップスを基本にサックスを多様したジャジーな大人感やディスコ風のシンセを大々的に取り入れた懐かしい哀愁香るノスタルジックミュージックの傑作。しかし「Kaputt」にて確立したドリーミングな哀愁ロックの解放感だったり、極上のポップセンスは健在。前作「Kaputt」をより一層ブラッシュアップさせた大名盤。TIFとかやってた最中にリリースされたのもあって、アイドルみてハイになった後、一気にクールダウンさせてくれたの最高にチルい思い出。

1. YELLOW DANCER / 星野源

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ある日の日比谷公園 、小学校低学年ぐらいの姉妹が手を取り合いスキップしながら「SUN」を歌っていた光景が忘れられない。結局のところ、本作は日本版『Random Access Memories』なんすよ。ソウルやディスコミュージックをモチーフにし、まさにEDM化したJ-POPへのカウンター的作品。そして、CDが売れないこの時代に10万枚以上を売り上げ、オリコン 1位を取ったことはこのカウンター的な役割が見事に成功したことの何よりも証ではないだろうか。ブラックミュージックをキーワードとしてケンドリックやマークロンソン、cero と言った良作が世界各国から黒人、白人、黄色人種 関係なくリリースされました。そこに日本の文化であるJ-POPとブラックミュージックの融和点を見つけ出し、きちんと回答を出した本作も同じように語られるべきで、それらを凌駕する作品です。今年を象徴する一枚。ありがとう、星野源

今日はメモ程度にK-PopシーンについてK-Popの固有名詞をなるべく抑えつつつらつらいきます。


いまやアメリカの主要音楽メディアにまで、なぜかK-Popの波が押し寄せて来ている、という話。


実はこのネタ、去年から書こうかと思っていたネタです。というのは、ちょうどそのくらいだったと思うんですけど、ビルボードのオフィシャル・サイトがK-Popのチャートを発表しはじめて、ある時期毎日のようにK-Popのニュースが流れてたんですね。それを見て「えっ、そんなに波押し寄せてるの?」と思ったからです。


ただ、僕自身がK-Popに疎かったもので、ここ数年くらいの日本でのK-Popや韓流のブームだとか、抗議運動とかというのもネットを通じた情報でしか知らないんですね。なので、「よく知らないのに書いてもな」と思ってやめてました。


ところが、ちょっと前にピッチフォークでK-Popのコラムがあるのを見つけて「なんでピッチまでが!」と驚いてた上に、昨日、本屋の輸入書のコーナーで読んだSPINの後ろの方のページにまで、あんまり大きくなかったんですけど、K-Popの記事が義理っぽく載ってました。なので、さすがにここまで来ると「やっぱり少しは触れておかないと」と思ったわけです。


僕がK-Popを音楽として意識し始めたのは2009年にyoutubeでたまたま2NE1のヴィデオ・クリップを見つけたときでしたね。そのときは、コメント欄がほとんど英語で、海外の音楽ファンが見つけた形だったので、なんだろうと思って聴いてみたんですね。で、そのとき、「確かにこれはブッとんでるな」と思ったので、K-Popウォッチャーの僕の友人にそのことを話もしました。ただ、だからと言って掘り下げようとはしなくて、むしろ韓国の映画の方に興味を持った(パク・チャヌクとかポン・ジュノとか)しだいです。


で、ブラジルではどうかと言うと、「リオでK-Popのtwitter集会がある」という記事がどっかで掲載されているのを拝見しました。そのときに「アメリカのダンス・ミュージックみたいでカッコいい」という、非アジア系ブラジル人のファンの意見がインタビューとして載って「あっ、やっぱそういう印象なんだね」と思いました。こっちだと、電気屋にLGとかサムスンの家電がいっぱいあって、そこで売られてる液晶テレビからK-Popがすごくよく流れるんですね。おそらく、こっちでいうファンという人たちは、家電経由で知ったのだと思います。


それで、この記事を書くにあたり、「ちょっと一通り聴いてみるか」と思い、ピッチフォークの記事にあったyoutubeの動画や、日本で流行ってる少女時代とかKARAなどを一通り聴いてみました。で、個人的には2NE1とG-Dragon以外はそんなに面白くないな」というのが率直な印象でした。この2つに関して言えば、「トリッキー・スチュワートとかディプロとか、あるいはフレンチ・ハウスとかダブステップとか聴いてる人が自分も負けじと作ってるんだろうな」という感じがして好感持てましたね。90sの日本のバンドやプロデューサーにもそういう方は結構いたので、「アジア人の先端の音楽クリエイターとしてはあるべき姿だな」とも思いました。


あとは正直、「ガガとかデヴィッド・グウェッタあたりまでは聴いてるんだろうけど…」という感じでしたね。ただ、それでもここ10年くらいの日本での音楽よりは遥かに欧米の音楽は意識して作ってるのはよくわかったし、それだからこそ日本のファンの中にも「J-Popより凄いじゃん!」みたいな感じで聴いてる人もいるんだろうなとは思います。


しかし!




だからと言って、僕個人が夢中になる音楽としては「やっぱ違うかなあ~」という印象はやっぱり拭えないかなあ~。やっぱりどうしても「レベルが高いとかなんとか言っても、所詮プロデューサー主導のダンス・ポップばっかじゃねえか!」という印象は否定出来ないから。そういうと「ロックの方がエラいと思ってるなんて保守的だ」みたいな意見も出てくるんだとは思うんですけど、ただ、それでも、自分で曲作って、演奏も歌も出来る人の方がやっぱり尊ばれてしかりだとは思いますからね。欧米だと、どんなにきらびやかでチャラチャラしたアイドルのダンス・ポップが流行っていようと、一方でちゃんとロックもあるし、ロック・ファンでもクールだと思えるダンス・ミュージックもちゃんとあるからバランスは取れてるんだけど、K-Popで現状感じられるところは「芸能主導のキッズ向け市場」以上のアピールはないな、ということです。もう少し、ロック的な部分とか、自作自演系の人とか、そういうものが見えてくればもっと評価出来るだろうに、と思いました。






ただ




それでも「自分たちの作ったものの出来を信じて、海を超えてアピールして売り出そう」という積極的な姿勢自体は良いと思います。現状、ほとんどが女の子の大所帯のグループ(そこが、個人での弱さを感じさせて僕は好きになれないのですが)ですが、”ブーム”というものを伝えるには、ある程度似たものをこぞって束にした方が受け手には伝わりやすい(イギリスが60sとか80sにやったバンドブームもそうだしね)のはたしかだし、好き嫌いは別として、海外市場に売り出す側の戦略としては正しいんだろうなとは思います。




それがビルボードみたいな大衆音楽メディアならともかく、あからさまにインディなピッチフォークとかスピンにまでプロモーション対象を伸ばせるプロモーション力って一体何なんだろう。ちょっとデカすぎて気持ち悪い感じも少ししますが、少なくともプロモーションする側にアメリカのメディアの仕組みについてちゃんと研究してる人がいることはたしか(仮にそこになにか怪しいものが存在したとしても、かなりアメリカの音楽流通に精通してないとこのプロモーションは普通思いつかない)だし、上手い戦略だと思います。多分、売り出す側がさらに次に考えてるであろうのは、アメリカのセレブ系女性シンガーのアリーナ・ツアーの前座だとか、ディズニーとかニッケルオデオンみたいな子供向けのチャンネルでの番組持つレベルでのプロモーションとか、そういう次元でしょうね。




あと、先にも書きましたが、家電製品を使ってのサブリミナルな浸透というのも「その手があったか(笑)!」と、「そんなの誰が知っとるねん!」みたいな強引さはありつつも、「家電制作の国」としてのアイデンティティと結びついてて賢いとは思います。


で、それと同時に思ったのですが


これこそ本来は80~90年代に日本がやっておくべきことだったんじゃないか!




そう思うと、ちょっとくやしいですね。80sの前半あたりから90sの前半あたりまで、日本は家電製品の進出と経済の急成長で欧米諸国に脅威を与えてました。84年に「ベスト・キッド」みたいな映画が作られたのもそれが背景だし、90sの前半に至るまで、ハリウッドでも日本を意識した映画(敵役が多かったのもまた事実ですが)が作られたものです。あの辺りでもっと日本人アーティストが海外進出してりゃ良かったのに!




チャンスはあったんですよね。80sの半ばにはバンドブームによって日本の音楽シーンのレベルはグッと上がったし、90sにも渋谷系以降、欧米のインディ・シーンにも匹敵するロックやクラブのシーンがあったし、実際に一部かなり評価されていました。あの時期にもっと、財政的に強力なバックアップ態勢強いて海外進出狙ってたら、もしかしたら状況はだいぶ違ってたんじゃないかな~と思うんですよね。


日本の場合、音楽ソフトの消費が世界2~3位となまじデカく、「国内市場が優先」と言う風にどうしても動いてしまい、そのせいでせっかくの才能が世界に伝わらずに終わってしまっていた。今、海外に住んでみてあらためて思うんですけど、経済的にパワーのあった70~90sの時代の日本のポップ・カルチャーが実は一番海外に伝わっていないのは正直ものすごく歯がゆいです。あの時代にこそ、ものすごいクリエーションがあったのに。海外だといまだに「クロサワ、オズ、ミゾグチ」みたいなものからアニメへと、日本文化のイメージが40年くらいのタイムラグを置いた極端なイメージで見られているんですが、その間の、「海外に追いつき、追い越せ」としてる間の時代にカルチャーの面白い発展があって、それこそ今のK-Popがそう言われてるように「欧米のものを意識して、それを消化して自分のものにしようとしている」ものがたくさんあったのに。自分時代の子供~青年期の思い出とも深く結びついてもいるので、なおさら悔しいですね。


確かにネットの時代の前で、世界中の人が「国の外に感心を持てる」という状況が出来る前だったので、仮に進出を目指そうとしても難しかったのかもしれないですけどね。その意味でK-Popはツイてたかもしれませんね。だとしたら、今の日本ももっと積極的に海外狙ってもいいんですけど、日本の場合、「海外にも追いついた」と感じたらそこで自己満足して何もしなくなる性格がしみついてるところがある。それがすごく日本自体をこの10年内向きにしてきたし、音楽に限らず他の産業においても、外向きな韓国や中国に追随を許してしまい、その焦りからなのか、最近すごくイライラしてさえ見える。この10余年の国際的な社会の流れに乗り遅れちゃった観は正直否めません。全く、youtubeで日本のヒット曲、閉め出してる場合じゃないよ、JASRAC!…まあ、「世界における日本のカルチャー」については、またトピックを改めて書いてもいいかななんて。




では、最後にK-Popに話を戻しますと、今の感じで行くと、とあるK-Popプロデューサーの曲がアメリカのセレブ系アーティストのアルバム収録曲に使われた、くらいの成功は今後ありえると思います。となったら誰だろう。リアーナあたりかな?これは語学が堪能で、外向的で野心的な人なら可能だと思います。




ただ




「アーティストとしての成功」となると、まだ難しいでしょうね~。それにはよほどアーティストとしてすごいキャラがあるとか、アメリカのTV番組の中でタレントとして話題になるか、どっちかがないとキツいでしょう。ぶっちゃけ、そこが一番の難関だと思いますが、「メディア露出を増やす」ことをネットで出来てるだけでも現状は合格点なんだろうと思いますね。
20. iDOL Street ストリート生コレクション2013~2014 / iDOL Street ストリート生
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アイスト枠で入れるならこれしかないでしょう。4枚組として無理やりランクインさせてみました。騒がしい現場とは一線を画するピュアでストレートな楽曲が満載。スト生楽曲のひとつの定義でもある、《オタクひとりひとりの物語にオーバーラップする号泣トラック》が今作も健在。NAGOYA Chubuが歌う「恋のキャットファイト!~ご主人様争奪戦~」は、ある意味での到達点、アイストの前衛的な一面も覘ける意欲作。
19. Best. Absolute. Perfect / B.A.P
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とにかくZELOくんの1秒あたり16音節の”LTEラップ”が好きすぎる。HIP HOPを軸にした骨太で硬派なアプローチを武器にギャングスタラップやメロウな楽曲にも挑戦していて、「1004 [ANGEL]」ではハウスビートにフォーキーなテイストとロックの要素を絶妙に融合させB.A.Pの音楽的力量と無限の可能性を見いだすことができる。それでも歌詞は例のように恋愛を綴っているのだけど、GOT7とは違い、ブラックミュージックへのリスペクトに溢れておりそこのバランスが絶妙。少年から青年へと変わりゆくZELOくん(18)に今後注目していきたい.。
18. 25 / 花澤香菜
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渋谷系の甘いメロディーラインと偶像崇拝される可愛くて甘い歌声の組み合わせが素晴らしくないはずがない。北川勝利、沖井礼二、宮川弾といった豪華すぎる作家陣はポップスを歌わせるにとどまらずラップやラテンジャズ、シューゲイザーも歌わせているのが最高。前作とは違い、色鮮やかなトラックに花澤さん自身が歩み寄って作り上げられていて、坂本真綾以上の片鱗が見え隠れする。そして、なにより、彼女のルックスと声はめちゃくちゃタイプだ。
17. Pale Communion / Opeth
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2014年のOpethは70年代ロックに傾倒したような前作からの流れで、今作も古き良きプログレッシブロックの感触に包まれている。アナログ的なドラムサウンドに鳴り響くオルガン、ミステリアスなピアノややわらかなフルートの音色に、バックにうっすらと響くメロトロンは実に美しい。ミカエル・オーカーフェルドのジェントルな歌声もいよいよ含みを増して、繊細な楽曲をマイルドに彩っている。デスメタル的な激しさはほとんどないけど、緩急のついた展開と、テクニックのアンサンブルは、プログレメタル系のリスナーにも充分楽しめるはず。
16. I'm Your Boy / SHINee
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今年のSMエンターテインメントの顔EXO、世界最新型の音楽をしたSuper Junior、王国の王者としていまだ圧倒的支持率を誇るTVXQ、そんな多種多様なSM勢の中でも一番日本人好みなのがSHINeeだろう。日本デビューしたK-Popスターで唯一のジャニーズにみられるクールとキュートの使い分けができるのが彼らであり最大の魅力。最も日本向けのコンテンツなのだ。"おもちゃ箱をひっくり返したようなポップでカラフルな楽曲"、この形容されまくったコピーが、もしかしたら本作が世界で一番似合うんじゃないかと思うくらいの煌めきが内在され、ラップやバラード、ロックなナンバーと聴き応え抜群な内容となっている。全編日本語で歌われているのだけれど、ガンギマってる韓国語ver.と違い、日本語はとにかく可愛い。稚拙なライミングは母性を擽るのか。メンバーのTeminは今年ソロでもリリースしそちらは遺憾なくラップを披露している。いわゆる、ギャップ萌えで完全に心奪われた次第だ。そんな格好可愛いK-PopスターによるJ-Popは最高に楽しい。
15. Lil' Boukou in Your Cup / Boukou Groove
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ピーター・バラカンのラジオをなんとなく聞き流していたとき、彼らの曲が流れた瞬間、久々に電流が体中に走ったのを覚えています。ジョン・クリアリーのバンドで初来日したギタリスト、ダーウィン “Big D” パーキンズとフロリダのキーボーディスト、ドニー・サンダルが2010年に結成したユニット。品が良く洗礼されたニューオーリンズのファンクで気持ちのよいグルーヴを堪能できる、素晴らしいアルバムです。
14. Art Official Age / Prince
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ワーナー復帰作だというのに、この素っ気なさ。でもプリンスも今更ながら、手垢のついた世評からの解放を求めているかのよう。この新譜は久々と言っていいかどうかわかりませんが、「あの頃」のプリンスを感じさせてくれました。プリンスといえばやっぱり「Lovesexy」までかなぁなんてことを多少思っていたのですが撤回します。聴けば聴くほど好きになっていきました。今後何度も聴き返すことの出来るアルバムだと思います。やっぱり、泣けるんですよね、なぜか…。しばらくはいつものプリンスのアルバムと同様、泣きそうになりながらこのアルバムを聴くしかありません。CDをかけるといつもそばにプリンスがいて私に歌ってくれることで私は何度も慰められ、励まされ、癒され、救われました。音楽を聴く喜びをプリンスは教えてくれます。プリンスはやっぱり今でもプリンスだ!プリンス好き好き好き好き好き好き好き!
13. Indie Cindy / Pixies
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「Doolittle」が放つ高揚感や狂気さは、生涯これ以上の作品に出会うことは決してない。言ってしまえば、あの頃のPixiesのレベルには、到底及ばない。バンドのリズムの中核を担っていたキムが脱退し物足りなさもある。これはもう仕方ないのかもしれないのだけれど、やはり彼ら特別な存在。ソロ活動を経て良メロ感を増したメロディに、しっかりダイナミックさのあるバンドサウンドで一曲一曲が耳に残る。オルタナ系ロックバンドのお手本といっていい作品だと思いました。Pixiesの醍醐味である、激情を迸らせながら追求する轟音、歪み、軋みとポップの融合も色濃く残っている。過去のヴェールを脱ぎつつも、飾りない今のモードを素直に表現していました、mbvの22年を超える、23年ぶりのナイスカムバック。
12. High Life / Eno & Hyde
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イーノ&ハイド名義の2作目。前作は英国的な叙情的サウンドのポップス寄りのサウンドであったが、今回は、イーノがかつて関わったトーキングヘッズのリメインライトやデビッドバーンと組んでやったブッシュオブゴースツ路線のファンキーなカッティングギターとアフロリズムが主体。今年WARPがリリースしたどの作品よりもミニマルでダンスミュージックしていると思ったのが正直なところ。決してアンダーワールドのようなコンテンポラリーなクラブミュージックな訳ではないのだけれど、実験を重ね構築したサウンドは緻密でいて、かつシンプル、必要最低限の音で、鮮やかで奥行きのある空間を生みだしている。エクスペリメンタル・サウンドでありつつ機能美という言葉もハマるような感覚。これでいて準備に約2週間、録りに5日間というスピードで作ったって言うんだから、ダレン・エマーソンもびっくりだわ。
11. Black Messiah / D'angelo and The Vanguard
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ディアンジェロの新譜に纏わる都市伝説、今日もいつものように世界中のブラックミュージックファンが噂話のタネしていたある日、突如としてアナウンスされた『Black Messiah』のリリース。ついに都市伝説が本当の伝説になる時がきたのだ。14年の沈黙を破り、メディアが口を揃えて言う、”ファーガソンでの黒人青年射殺事件を機とする社会不安がアメリカ全土を包んだこの2014年、最高のタイミングでの帰還。” まさしく全米の黒い救世主となった訳だ。細く繊細なファルセットと、極限まで無駄をそぎ落とされたシンプルかつドープなサウンド、そしてQuestloveとPino Palladinoらお馴染みのリズム隊による即興的で濃厚なグルーヴはいまだ健在。P Funkであったりジャジーにキメてくるトラックもあり、全体的に響き渡る漆黒のベースは脳幹を刺激する。また10年あまりかけてこの中毒と付き合っていくのかと考えるとそれはそれでいいかと思えるほどに今作もVoodoo同様、禁欲主義的な自慰促進盤となった。
10. Grenier meets Archie Pelago / Grenier meets Archie Pelago
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ストリングス+ サックス+PCという編成からなるニューヨークのトリオ、もともと様々なジャンルのビートを取り入れた作風のArchie Pelago、幅広いジャンルのエレクトロニック・ミュージックを制作してきたGrenierとの美しき邂逅です。両者の音楽に対する開けた姿勢が合致し制作されたアルバムはエレクトロニカフューチャー・ジャズ~テクノ~ベース~アバンギャルドサイケデリック~ニュー・エイジと、どのジャンルにも当てはまる先進的かつ先鋭的なエクスペリメンタル作品に仕上がってます。Four tetやNicolas Jaarに代表される新世代のエレクトロニック・ミュージックのそのさらに先を行く才能にただただ脱帽。心落ち着かせるアンビエントな楽曲から、液体のような滑らかに流れるグルーヴの曲、うなるベースラインが体を揺らす曲などアルバムトータルの完成度がずば抜けたマスターピース
9. The Season / FEBB
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東京のインディ・レーベル〈WD Sounds〉と〈Pヴァイン〉のダブル・ネームでリリースされたこの作品は2014年の日本語ラップ最重要作の1枚となった。 febbのラップの特徴は、その言葉のぶつ切り、そのリリックの断片が感じかたによっては、いかようにも鈍い光を放つような印象を与える。彼のラップは不思議で、地味ではあれど、聴けば聴くほどに味わい深い。 彼のラップに対するアティチュードは硬く、踏まれても割れない何年もそこにあった岩の様だ。どこかニューヨークのヒップホップ黄金時代を築き上げた往年のリリシスト達に通じるものがあるんだよな。サイケデリックで、ソウルフルで、ジャジーで、ファンキーな、素晴らしいハードコア・ヒップホップであることに間違いない。
8. World Peace Is None Of Your Business / Morrissey
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道を開けろ、偉大なるモリッシー様のご帰還だ。いわゆる、モリッシーらしいギタポな曲は見当たらず、へヴィで派手なアレンジが目立つ。それでもモリッシーたらしめる何かを感じ涙した。何年か前にキャメロン首相が学生時代にスミスのファンだったことを公言したらば、モリッシーとジョニー・マーが怒り狂ったというニュースがあった。モリッシーのファンを認めない理由が、「キャメロンがキツネ狩りを解禁したのが許せない」だったので思わず笑ってしまった。彼は政治思想の人ではない。純粋に感情の人だ。「肉食をする人間は俺の音楽を聴くな」とか真剣に言いそう。そして、今回のタイトル「世界平和など貴様の知ったことじゃない」である。モリッシー大好きかよ!「死ぬ運命なら、死ぬだけ」とかそんな寂しいこと言わないでまだまだ変なダンスしてくださいな、来年あたりにでもセクゾンに会いに来日してね!
7. ナマで踊ろう / 坂本慎太郎
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もうこの人のやる音楽ってズルいです。前作「幻とのつきあい方」で改めて坂本氏の才能を実感したのは言うまでもなく、そして本作でもその才能は遺憾なく発揮されている。前作に比べると全体的にどんよりとした空気感が漂うものの、不思議と耳を傾けていても暗い気分にならずに済むのは坂本マジックという、ある種の魔法のようなものだろうか。アルバムコンセプト自体は『人類滅亡後に流れている常磐ハワイアンセンターのハコバンの音楽』という独創的なもので、リアリティが簡単には感じられないものに対してリアリティを吹き込んでいる。ミドル~スロウの楽曲が中心となり作品を覆う中で気づいたのは、人類滅亡という重い題材の中で生きている、言い得て妙なリゾート感。これは軽快なギターフレーズしかり、小気味の良いアフロなリズムが象徴。全体通して聴いて思ったことはと言えば、坂本氏は例えどんな音楽を作ろうと坂本氏であるということ。音楽を通してバックボーンがしっかりと根を張って揺らぎ無い点。歌声しかり、フレーズ選び、サウンドプロダクション全てが、坂本慎太郎ということに気づかされる。それほど特徴的であり、唯一無二の孤高の存在なのだ。

6. Awake / Tycho

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まずジャケットが格好良いいですよね。メンバーのScottはISO50という名義でデザイナーとしても活動し、その秀逸なセンスは音楽ファンに留まらず支持されているらしい。そして今作のアート・ワークは彼自身によって手掛けられているそう。本作はシンセ、ギター、プログラミングのScott Hansenを中心に、ベースとドラムを加えてトリオ編成での録音。全体的に曲がバンドサウンドが強くて、でもTycho本来のレトロなテクノメロディーは損なわれていませんでした。もちろんこれまでの延長線上の、レトロ・テイストのリヴァービーで浮遊感に満ちたサウンドであるが、生演奏の度合いが高まったため、ポストロック的なテイストも感じさせる。どうも私は生音と電子音が合わさるとジャンキーになるようだ。アンビエント的なアトモスフィアを纏いながらもドライヴィンな高揚感を持つサウンドを構築していく。ドリーミーな質感はそのままにオーガニックな彩りを増しており、見事バンドサウンドとの共存に成功したといえる。エレクトロニカ、アンビエント、ドリームポップ、ポストロックと幅広いクラスタに受け入れられることは間違いないでしょう。来年早々の公演はド平日だけど余裕の有給で最前でトリップしてきます。

5. STARTING OVER / Dorothy Little Happy
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今回のドロシーはストーリー仕立てでまるでひとつの映画を観ているような素敵な作品となった。メンバー1人1人の個性が活かされ、思春期の揺れ動く少女の心の描写を挟みながら、瑞々しく真っ直ぐな彼女達の今が刻み込まれているように思う。奇を衒うことなく、アイドルの良心が詰まったと表現したくなる曲が揃っており、大いに興味を引くのだ。アッパーなものから四つ打ちナンバー、バラードまで彩り豊かな曲調で支えられ、特定のメンバーにスポットも当てながら大きな果実を実らせたJ-POP/アイドル・ポップスが鮮やかに耳を奪う。曲順もメンバーの考案で構成されており、これが恐ろしいくらいにひとつの物語として成立している。『Life goes on』がドロシーが主役のドキュメント作品だったとすれば、『STARTING OVER』はドロシーが織り成すノベライズ作品なのではないだろうか。音楽面では、COZZi氏が軽快に踊らせ、全体の骨格を磯貝サイモン氏が担い、アクセントとしての坂元サトル氏によって構成され、絶妙なバランスで配置さていて、アクセントとしてのサトルさん曲が良い意味でアクが強く様々な解釈を誘うスパイスとして『STARTING OVER』を盛り上げている。ポップス、ロック、バラード…幅広い楽曲は、曲名からも読み取れるように、とにかく色彩豊かだ。曲順がもたらすストーリー性は、それこそ”早く次のページをめくってよ”と言いたくなる。新しいトラックが始まる度に見えてくる表情に涙し心踊らせるアイドルポップス至極の名盤。
4. 時が奏でる / 蓮沼執太フィル
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醸し出し、解き放つ音像。フィルハーモニーという編成でありながら重すぎない。そんな感触が心地よい、蓮沼執太がコンダクトする現代版フィル・ハーモニック・ポップ・オーケストラのファースト・フルアルバム。メンバーは、ドラム&映像の特殊編成トリオ「d.v.d」のitokenとJimanica、一定に留まらないジャンル展開を見せるSSW木下美紗都、音楽批評誌「EsPresso」の編集・批評活動に始まり、サックス・エレクトロニクス奏者として名を残す大谷能生、音楽作品のみならずイベント・舞台作品での表現も盛んなラッパー環ROYなどなど、実に多種多様な分野から集まっている。この点はLee PerryやJ DILLA、さらにはスティーヴ・アルビニのSHELLCから細野晴臣に至るまで、広がりのある影響を公言する蓮沼ならではの人選ですね。ここまで幅広いと演奏や楽曲コンセプトが複雑化し、即興的な試みをイメージするかもしれない。だがその心配は、一曲目を聴き終えるころには杞憂となる。楽曲全体の進行は非常に練り込まれながらも、抑揚は明瞭。オーケストラルな構築が前面にくるかと思えば、つま弾かれるギターや軽快なラップ・リリックが要所要所で織り込まれていく。数多くの楽器を的確に組み合わせ、繋ぎ合わせる。その合成感覚が見事に研ぎ澄まされている。大編成での演奏は、荘厳な印象でなく多彩な色合いを見せる手段としても成り立つ。それはこの楽団が今回の音源によって、最も端的な形で表したといえるだろう。暖かい男女ヴォーカルと、それと対照的な環ROYのクセになるラップが混ざり込む。もしジャジーポップなどが好きならば恐らく気に入ると思いますが、実にポップスとして完成度の高い作品に仕上がっています。
3. Atlas / Real Estate
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とろけるような音の質感に、まどろみ重なり合うツインギターの旨み、一歩引きつつ曲全体を締めるリズム隊。さっぱりな口どけながら洗練されたクリーンなサウンドを掲げて録音されたそのサウンドは、Wilcoの「Yankee Hotel Foxtrot」が一つの指標になったようだ。成る程、最高なはず。とにかく今作の第一の魅力はこの霧がかった、それでいて陰鬱でない、朝もやのような音像。5人体制に変更されているが、サウンド的には大きな変更は無く、ラブリーでドリーミー、そしてナチュラルなポップロック。囁くようなジェントルなボーカルに、浮遊感あるバンドアンサンブル、美しく多彩なギターアルペジオの音色が重なり合う繊細でいて自然体。また、前作よりもギター、ベースのメロディが自由かつ繊細で楽しいのがポイント。それら弦楽器のメロディと、歌メロがゆらゆらと離れたり、重なったりして、そういったバンドのセンスが更なる聞き心地の良さに繋がっているよう。地味な変化ながら前作よりも一層音が美しく描かれている。懐かしくも有り、どこかモダンでクール。確固たるメッセージ性も特にない。だが一曲目の飽きさせない展開といい、少しけだるいボーカルといい、これでもかと自分のストライクを突かれてしまいました。バンドサウンドとベッドルームミュージックの心地よさを同時に体感できる1枚。
2. Minutes of Sleep / Francis Harris
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本作は張り詰めたアンビエント・ノイズでスタートする。"Hems"、そして"Dangerdream"は共に、Greg PaulusによるトランペットとEmile Abramyanによる悲しげなチェロが奏でられる陶酔してしまいそうなドローン作品だ。そしてここから"Radiofreeze"を通じて、よりリズミカルな形へと展開していく。Harrisは自身の悲しみを崇高なものへと高めようとしており、用られているサウンドの中で1番シンプルななものでさえ幾重にも重ねあわされ、簡単に理解できるようなものではなくなっている。従来のハウスらしいハウス・トラックは、本作において大理石で出来た繊細な柱のように機能しており、キック・ドラムが力なく打ち付けされる"Me To Drift"や"What She Had"の他に、キックが宙を舞っているかのような"You Can Always Leave"これが最高に気持ちいい。
彼はこの3年間で両親を失った。悲嘆に暮れる複雑な心境を描いた今作で、彼は本当に成熟したと言えよう。安易に感傷的になったりドラマっぽくなることはなく生々しいエモーショナルな重みをダンスミュージックに注入したこの鮮烈なアルバムにとって、エンディングにかけてのトラックは困惑するものかもしれない。『Minutes Of Sleep』が表現しようとした感情は非常に複雑に入り組んだ悲劇的なものであるとともに希望になっていくと信じたい。
1. Familiars / The Antlers
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USはNYマンハッタン出身、現在はブルックリンで活動するインディ,スロウコア,ドリームポップバンドの5th。前作「Burst Apart」では同じくブルックリン勢のGrizzly BearやUKのWild Beastsなどの動物系インディバンド同様ドリーミングなインディポップスを展開、ピッチフォーク含む各メディアで概ね好評を得ていた彼らですが、Beach Houseの名盤「Teen Dream」「Bloom」やYYYs,TV on the Radioなどを手掛けたChris Coadyをプロデューサー,エンジニアに迎えたこの新作「Familiars」において新たな境地を切り開いている。それはTrue Widowの最新作ほどダークではないもののスロウコアの要素を取り入れた結果、ドリーミングな感覚はそのままに過去作以上にゆったりとトリップ出来ちゃうような心地よい作風へと変化。
ゆったりとしたホーンの音色にPeter Silbermanの時に切なく感情的なファルセットヴォーカルが合わさり、ぼんやりと夜空を眺めているようなドリーミング極まりないリードトラックにして名曲クラスの1. Palaceからして前作以上にスロウな感覚を強めていることが分かる。続く2. Doppelgängerでは更に繊細なサウンドを奏で、ジャジ―なサックスを溶け込ませてしみじみとした気分にさせてくれる。温かみのある動物系インディフォーク路線の3. Hotel、穏やかなジャズインディからポストロック的な流れでもって鮮やかに音の強さが増していく5. Director、チェンバーロックな音の温かみに優雅なジャズ演奏がエレガンスに絡んでいく6. Revisited、Grizzly Bearあたりを彷彿とさせるインディフォーク路線な7. Parade、ラストの9. Refugeも優等生らしくジャズ絡みの穏やかなナンバーで終始黄昏るような繊細なインディフォークでとても癒された作品でした。