田子山富士『山仕舞い』の記事を間に挟みましたが、流山の神社巡りのつづきです
2023年5月25日参拝。
大宮神社
流鉄流山線・流山駅より徒歩10分(裏参道までは7分。)、平和台駅より徒歩12分。
つくばエクスプレス・流山セントラルパーク駅より徒歩7分。
石段上の社号碑。
石段。
一の鳥居。(明神鳥居)
長~い参道です。
とても雰囲気が良いのですが、もっと木が太くてもっと緑に包まれる感じだとなお良いかも。
二の鳥居。(神明鳥居)
「従軍紀念碑」と彫られていました。
参道には石造物が並びます。
何点かご紹介します。
青面金剛(しょうめんこんごう)像。
青面金剛の石碑は、足元に邪鬼を踏み付け、三猿とともに表現されていることが多いです。
聖観音(しょうかんのん) 像。
延宝6年(1678年)造立。
手に蓮華を持っていることが多いです。
左:勢至菩薩(せいしぼさつ) 像。
延宝3年(1675年)造立。
合掌する姿で表現されます。
右:地蔵菩薩(じぞうぼさつ)像。
寛文7年(1667年)造立。
左手に如意宝珠(にょいほうじゅ)、右手に錫杖(しゃくじょう)を持つ姿が多いです。
いずれの像も、台座には水盤と花入れの穴が空いていますね
三の鳥居と、その向こうにやっと社殿が見えて来ました。
三の鳥居手前にも、参道の左右に
庚申塔(青面金剛)がずらりと並びます。
三の鳥居。(神明鳥居)
広く静かで、しっとりとした空気が心地よい境内です
左手に手水舎
水盤
「大宮神社」は、流山市平和台に鎮座。
この地方の開発は奈良時代の末期と伝わり、創建は、鎌倉時代・建長年間(1249~1256年)ではないかと言われています。
旧・加村の氏神で、芸能・夫婦和合の神として古来より近郷の民から篤く信仰されて来ました。
拝殿
拝殿&幣殿は、平成6年に新築したとのこと。東向きの社殿です。
神額。
【御祭神】
天宇受女命 あめのうずめのみこと
『ときめき流山さんぽ』によると、
天宇受女命の他に、大國主命・玉依姫命・少彦名命・豊受姫命を祀っているとのことです。
明治になり村社に列格。
明治42年に、近隣の八幡神社・稲荷神社・子神社・渡利神社・厳島神社・大六天社の6つの神社を合祀しました。
『流山市史・近代資料編』によると、
八幡神社 祭神 譽田別命
稲荷神社 祭神 豊受姫命
子の神社 祭神 大國主命
渡利神社 祭神 少彦名命
嚴島神社 祭神 玉依姫命
大六天社 祭神 國常立命
この六つの神社を大宮神社に合祀
とあります。
境内の右手に、
大杉神社。
【御祭神】大物主命(大国主命)
【配祀】少彦名命 ←(私の推測)
合祀した神社の中には「大杉神社」はないため、『流山市史・近代資料編』にあった、
子の神社【御祭神】大國主命
渡利神社【御祭神】少彦名命
を「大杉神社」に合わせ祀ったのでは?と思いました。
創建は江戸時代の中頃(1730年頃)と推定されます。
当時、下総地方にも各地区に開運と疫病消除の神として、夏季の27日に各戸を廻る神幸祭が盛大に行われていましたが、その頃に氏子によりこの境内地に祀られたものと思われます。
昭和54年、神輿と覆屋を再建、今日に至ります。
社殿と神輿庫を兼ねているということですね
紋幕の羽団扇紋。
「羽団扇」は、古くから悪鬼を払い、霊威を呼び寄せるという意味があります。
火伏の意味もあります。
「羽団扇」と言えば天狗👺ですよね。
大杉神社=あんば様の眷属は天狗と言われています。
社殿を囲む瑞垣の右手にも境内社が並びます。
八幡神社。
【御祭神】誉田別命
創建は建長年間(1249~1256年)と思われるが詳細は不明。
大昔より学問・文化・育児の神として加村の若宮にお祀りしていましたが、明治42年、当境内に合祀されました。
昭和40年、社殿を再建・新築。
八重塚稲荷神社🐺
【御祭神】豊受姫命
全てはご紹介出来ませんが、小さな祠や石碑もたくさん祀られていました。
疱瘡神。
「成田山月参」の碑。
この地域では「成田講」※が盛んだったようです。
※江戸時代に起こった「成田山新勝寺」を信仰し参詣する団体。
ご本殿の覆屋
昭和40年に新築されました。
社殿の左側にも祠・石碑がいっぱいです。
左は摩利支天(まりしてん)。
「摩利支天」とは、仏教の守護神である天部の一尊で、太陽の光・陽炎を意味する「マリーチ」を神格化したものとのこと。
日本では武士の守り本尊として信仰され、通常、3つの顔と8本の腕を持ち、右手に金剛杵(こんごうしょ)※、左手に弓箭(きゅうせん)※を持ち、猪に乗る姿で表現されます。
3つの顔、怖いです
※金剛杵=仏教で用いられる法具、弓箭=弓矢、武具全般。
※柏書房『日本の神様読み解き事典』より。
神狐🐺が彫られている石碑は、
「弓箭稲荷」と読めます。
古墳かな?と思ったけれど、違うようです。
桜の名所とのこと。桜の時期にまた来てみたいです
流山市「大宮神社」は、境内に仏教や道教関係の石造物がとても多いのに、
静かな境内はそれを感じさせないしっとりとした良い気で、大好きな神社の1つになりました
最後までお読みいただき、ありがとうございました