秋だな。空がそうだし、風がそうだし。というか、そうだし。
行きました。裁判所。傍聴に。とっても簡単なんですね、傍聴。ふらりと行ってふらりと入る。むろん大変な事件ではそうはいきませんし、私のほうも、人が殺められたような事件は好奇心で・・・というつもりもありません。
まず入った部屋の事件名は監禁。
ぼったくりのキャバクラで、支払いができないという男性を監禁したそう。男性は隙を見て逃げ通報。被告は執行猶予中だったから実刑。いや、おどろいたのは、被告が着ていたTシャツ。女性が半分裸のイラスト。それが反省、してない証拠とは言わないけど・・・いや~勇気あるわ。
次の部屋開けると・・・ワワワ・・・
黒いスーツを着た方々が傍聴席に並んでいる。休廷中らしく、「お~元気そうで」「久しぶり~」と声をかけあい、この場所に慣れていらっしゃる様子。場所が違えば、久しぶりに法事で出会った親戚一同・・・だけど、やっぱ裁判所ですから、開けた扉を静かに閉めた。入りません、入れません。
もうひとつ、強盗・傷害・詐欺あともうひとつあったけど・・・なんだったけ?
41歳という被告。いわゆる美人局が詐欺のようで、そこから強盗も発覚したらしい。女性をナンパして、そういうことがおわった後、女性が友人に「迎えにきてと電話するね」。現れたのは彼とその仲間。「どういうことや」。ナンパした男性はとりあえず持っていた4000円を支払ったが・・・その後・・・
前科は8犯。「2件は冤罪」という主張。
被告について知人からの供述。
「刑務所で知り合い、こいつは見所があると思ったので、出所したら必ず連絡するように言いました・・・(中略)するとある日、●時ころ突然電話がかかってきました・・・突然電話されても・・・・こういう常識のない人間をもう支援する気はありません」。
電話って、たいてい突然だし。
家族があてにならないことは本当に気の毒だと思う。それが彼のすべてかもしれない。
吹き溜まりという言葉がある。落ち葉とかゴミとかが風に吹き寄せられて溜まっているところ。どんなに気を配ってもどこかに集まってしまう。行き場がないというか、そこが行く場所になる。
誰にも可能性があるのだ。
それを引き受けてしまった彼に「ごめんね」と言いたい。
彼でなくてもよかった。私でもおかしくはなかったのだから。