「 DUTY わが父、そして原爆を落とした男の物語」
(ボブ・グリーン 山本光伸訳 光文社)
(ボブ・グリーン 山本光伸訳 光文社)

▼ポール・ディベッツ。広島に原爆を落とした男。エノラ・ゲイは彼の母の名を冠したものであった。著者であるボブ・グリーンはアメリカを代表するコラムニストであり、放送ジャーナリスト。彼はディベッツの名はもちろん承知していたものの、自分が生まれ育ったコロンバスで彼が今もひっそりと暮らしていることは、何気ない父親の話によって知らされた。以来長年にわたり、ディベッツに取材を申し込むが、それはつねに黙殺され続けた。20年を経てようやく実現した時、ディベッツは83歳、同年代で第二次世界大戦をともに戦った著者の父親は死の床にあった。
▼本書は原爆の是非を問うものではない。殺戮者とも、また英雄とも言われるディベッツの行為の検証でもない。DUTY、責務・・・、タイトルの通りの内容である。死に行く父親の残した自分史テープを織り交ぜながら、寡黙な彼らの世代が DUTYに殉じた心情を哀惜を込めて残うとするものだ。ここで政治やイデオロギーは無縁。
▼「正しい戦争などありえない」。これはディベッツの言葉であり、そのディベッツ に課された DUTYこそは、広島に原爆を落とすということだった。
▼本書は原爆の是非を問うものではない。殺戮者とも、また英雄とも言われるディベッツの行為の検証でもない。DUTY、責務・・・、タイトルの通りの内容である。死に行く父親の残した自分史テープを織り交ぜながら、寡黙な彼らの世代が DUTYに殉じた心情を哀惜を込めて残うとするものだ。ここで政治やイデオロギーは無縁。
▼「正しい戦争などありえない」。これはディベッツの言葉であり、そのディベッツ に課された DUTYこそは、広島に原爆を落とすということだった。