母の誕生日だ。
 生きていれば81。去りし日を胸にとどめて、きっとふくふく笑うような、童女のようになっていただろう。
 想像にすぎぬ。
 扱いの難しい気性に変貌していたかも知れない。ただ、そんな母は思い描けない。
 いや、頭はしっかりしていて、童女どころか、まだまだ元気に「自分自身」を全うしていたような気もする。

 ともかく、母はいない。
 
 寂しさに耐えかねたれば起き出して夜半に回す洗濯機の音
 
 81。幻である。