まま、なんと。
 「らしくない」7月が過ぎ、まっとうな?8月がきた。ジンジン、ジリジリと朝も早くからセミの合唱。それを聞きながら、なにするわけでもないのに汗をかいていると、なんだか小学生にもどったような気がする。

 それは記憶から蘇るというより、過去ともつかぬ実在感。あいまいだけど、「実在」の・・・。




 「夏」(中原中也)

  血を吐くような 倦(もの)うさ、たゆけさ
  今日の日も畑に陽は照り、麦に陽は照り
  睡(ねむ)るがような悲しさに、み空をとおく
  血を吐くような倦うさ、たゆけさ

  空は燃え、畑はつづき
  雲浮び、眩(まぶ)しく光り
  今日の日も陽は炎(も)ゆる、地は睡る
  血を吐くようなせつなさに。

  嵐のような心の歴史は
  終焉(おわ)ってしまったもののように
  そこから繰(たぐ)れる一つの緒(いとぐち)もないもののように
  燃ゆる日の彼方(かなた)に睡る。

  私は残る、亡骸(なきがら)として――
  血を吐くようなせつなさかなしさ。