タンポポ(征矢泰子)
わたしのタンポポは
とおいとおい
ひとかたまりの
「昔」のなかから咲く
いつのこととも
なにのこととも
もう皆目くべつできない
ただなにかしら甘ずっぱい
とろとろとなまあたたかい
「昔」のなかから咲く
少しずつ
だが着実に去っていく
わたしのなかの「昔」を
ひきとめようとするように
それはいつも あどけなく輝いて
それは永遠の子どものなりをして
とおいとおい
ひとかたまりの
もどかしいなつかしさとわびしさに
つつまれた「昔」のなかから
わたしのタンポポは
今年も咲いた
わたしのタンポポは
とおいとおい
ひとかたまりの
「昔」のなかから咲く
いつのこととも
なにのこととも
もう皆目くべつできない
ただなにかしら甘ずっぱい
とろとろとなまあたたかい
「昔」のなかから咲く
少しずつ
だが着実に去っていく
わたしのなかの「昔」を
ひきとめようとするように
それはいつも あどけなく輝いて
それは永遠の子どものなりをして
とおいとおい
ひとかたまりの
もどかしいなつかしさとわびしさに
つつまれた「昔」のなかから
わたしのタンポポは
今年も咲いた