何年も泣いてすごした。
 ホントのこと。

 夫が亡くなって、7年過ぎたが、今も泣こうと思えばいつでもなける。泣かないだけだ。ちょっと誤解を招きそうな表現だが、いつの瞬間も頭から夫のことは離れない。泣こうと思えば泣ける、というのは、外に出すかどうかのこと。
 
 出さないようにしているが、ふっと気が緩んでしまうことがある。

 車ででかけ、ラジオをつけて・・・「あ、この曲」なんてとき。
 花の咲いたのを見つけたとき。
 空が青いとき。
 ぼんやりとしたとき。


 よく言われた。
 「いつまでも泣いていないで」「いつまでもくよくよしないで」
 「そんなこと望んではいない」「元気になるのが一番の供養」


 「はい」と答えたけど・・・
 見くびってもらってはいけない。
 それは「過去」と言ってしまえばあまりに簡単すぎる、互いの存在への信頼、あるいは証のような。人間の無力さへの明け渡し、むろん大きな後悔をともなって。それもまた、言葉にできないが、圧倒的な存在の一部として。

 
 3月。テレビをつけて目にした凄まじい光景。
 思わず、悲鳴をあげた日が近づく。