「飲食チェーンM&A大阪編4」


[店舗巡回]


日中店舗を巡回して見ると元社長の肝入りで

出店した華やかな新店舗とは同じ会社が経営しているとは思えない程、内外装がボロボロの店舗に遭遇します。


「社長この冷蔵庫がイカれてしまってます」

「社長この壁の傷みを…このテーブルを…

エアコンを…」などなど巡回する店舗の店長や料理長から堰を切ったように話が止まりませんでした。


皆さん相当我慢していたんでしょうね。


お金を使うべき所に使わず、ほぼ趣味のような店舗を出店する為に多額のお金をかけるなんて

それで会社の業績が上向くなら良いのですが…

本当にナンセンスだと思いました。


会社が大きくなり店舗数が増えて来るとトップは一部の店舗にしかいかなくなったりします。


一部の店舗とは業績のよい店舗か比較的新しい店舗かまたは優秀な店長がいる店舗の事です。


そうです自分が居心地が良いからですね。


こうゆう店舗はある意味、訪店優先順位で言えば100番目でいいんです。


私の今まで勤めた会社のトップの殆どが100番目の店舗しか行かないか、自社店舗には顔を出さない方かでした。


自分の商売の足元を自分の目でしっかり確認しないで、人づてに聞いた情報だけで判断降す。


だから現場の本来の苦しみや辛さは共有出来ないで溝が深まって行くんですね。


トップは一体どこを見ているのか?


こう思われているとしたらスタッフの持てる力の70%しか引き出せていないと考えるべきでしょう。


ただ一番最初に勤めた会社のトップは店が本当にお好きで、不振店舗などにもよく訪店してくれました。


訪店されるとめっちゃくちゃ緊張するのですが

そのピリッとした緊張感も私は堪らなく好きでしたし、それだけ気にかけていただいているんだと思うとジーンと胸が熱くなりました。


メッセージや言葉も大事ですが

トップの行動は何よりも心身にグサっと刺さって来るのです。


そんな事を思いながら

次に着いたのは総料理長の在籍する店舗でした。