「飲食チェーンM&A大阪編3」


[仕入れの一本化]


今までのM&Aでは時間をある程度かけて、管理部や仕入れの統合などをして来ましたが、3社目からは友好的と言うより敵対的なスタンスに変わって行ったような気がします。


これもトップの猜疑心の影響なのか、資金的な事なのか、大阪のこの会社にもその色が出ていました。


特に仕入れに関してはとても早い段階で一本化を図ろうとしました。


この会社には業者協力会が有り、皆さん色々な意味でサポートをしていただいていたようでした。


某日、その業者協力会の方々に向けて説明会を開催します。


その内容は〇〇〇〇〇の仕入れに合わせられるかどうかでした。


当然合わせられない業者さんは退く事となり

有力な取引先を失います。


業者さん達にしてみれば、今までこんなに協力して来たのにと悔しさが募った事でしょう。


ただM&Aした側からすれば、コスト抑制して

利益を改善するのは最大のメリットのひとつでもありますから引く事は出来ないわけです。


飲食業のM&Aがまだ数が少なく、前例がないだけに理解するのは難しかったのだと思います。


私は誰よりも早くといつも一番に出社する事を心がけていました。


説明会の次の朝、その日も私が一番に本社の前に着くと、一階にある自社店舗のガラス張りの入り口を破壊されて、電飾の移動看板が店に突っ込んでいました。


ガラスが入り口の内と外に散乱していて

いや〜ビックリしましたよ本当に。


店内は物色された様子がない為強盗ではありません。


とすると誰の仕業なのか見当はついていましたが、警察に被害届を提出してしばらく様子を見る事にしました。


ただ人事部長からは「暗い所はひとりで歩かないようにお気をつけ下さい」と釘を刺され

この時ダンプは初めて身の危険を感じました。


しかし、まぁなるようにしかならんと翌日より立地開発担当者と店舗巡回を始めるのでありました。