「大手居酒屋チェーン東北事業部編2」
[後継者育成]
各店舗の訪店で営業内容の良し悪しとリアルな業績数値から後継者候補を探していました。
福島での郊外店を訪店した時の事です。
店舗まで後少しの所まで来ると
そのお店の店長と老夫婦がお店から出て来ました。
すると店長もお店の外まで出て来て
老夫婦の荷物を持って一緒に歩いて行こうとしてます。
私が
「店長営業中にどこ行くの」と聞いた所
「おはようございます。お客様の家すぐ近くなので荷物が重いので届けて来ます。お店は大丈夫ですから」と言い残してお客様と楽しそうに会話しながら行ってしまいました。
入店してみると入り口には笑顔の素敵な女性が
接客を担当しており、7割近く入っていましたがOPも安定してました。
お客様に対する意識の高さは他のスタッフ達にも良い影響を与えているなと感心しました。
後継者候補としては星がひとつ着きました。
またとある日に仙台の八乙女のお店を訪店した時、ランチタイムの繁忙時間帯にも関わらず
よく声も出ていて、かつ皆笑顔の優しい接客をしており居心地の良さを感じました。
料理もビジュアル、提供時間などクオリティの高さが伺え、検食もしてみましたが味もバッチリでした。
このお店の店長は比較的若く30代前半
バタバタとあっちこっちを駆け回る店長と異なり、店の中心や出口入り口(デシャップも含む)
をしっかりと押さえてOPしており、スタッフ皆さんが店長を中心に動いているように見えました。
接客、料理、OP全てに於いてレベルの高さが他の店舗より抜きん出ています。
それは業績にも反映されていて
東北事業部内で最も高い収益を上げていました。
繁忙時間が過ぎた頃に女性をターゲットにした
メニューを考え試作していた時に、店長が話しかけて来て「こんな事をお伝えするのは心苦しいのですが、今までの統括されていた方々も
皆さん同じメニューを考案され導入されました。しかし販売数は伸びずにOPだけが複雑になり、他の料理もつられて遅くなりお客様からクレームを多数いただくようになってしまいました。ご理解いただけますと有難いです。」としっかりとした意見を言って来ました。
彼の言い方にはやりたくないと言う意思ではなく、今までの流れを把握してもらいたいと言う熱が伝わって来ました。
私はこの一件で八乙女の店長を後継者として
立て直しに巻き込んで育てようと決めたのでした。
その後彼には後継者候補だと言う事をちゃんと伝えて業績立て直しの為の右腕として動いていただきました。