女性専用のトレーニングジムに通い始めてもうすぐ1年になる。
10年以上通っている人も多く、私などまだまだ新参者なのだが
そこでは、仲良しのグループがあったり、他愛のない会話などが飛び交い、まるで女子高生の頃のようだ。
私は女性特有のそういう世界に居心地の悪さを感じる時があるが
その場になんとなく馴染めるように、人との距離感も考えながら参加している。
コミュ力は決して高くない私でも、長年の経験から人の中で生きていくスキルを身に付けてきたように思う。
けれども中には、生まれながらの脳の特性で、人との関わりが苦痛で、大きなストレスになってしまう人もいる。
先日、NHKハートネットTV『社会的カモフラージュ “普通”を装う大人たち』という番組を観た。
社会的カモフラージュとは?
自閉スペクトラム症のある(知的障害を伴わない)当事者が自らの特性を隠して“普通”を装う
行為。続けると、深刻な精神的
負担を感じる。
番組では、ASDの女性が、普通でありたいと無理をして人と関わろうとすることの苦しみを取り上げていた。
その女性は、見た目ではほとんど分からないけれど、会話の中では
・相手に合わせて”笑う“
・相手に合わせて“表情”を作る
・相手の”目“を見る
・声の“抑揚”に気をつけている
など、相手の表情や発言をつぶさに観察して、頭をフル回転して対応しているそうだ。
見知らぬ人との会話は負担が増し、会話は移り変わるので、流れをつかむのが難しい。
多くの人が、いちいち考えなくても自然にできてしまうことでも
彼女にとって過度なストレスが溜まって負担になると、パニックになり痙攣を起こしてしまう。
(パニックの娘さんに寄り添い、そっと抱きしめるお母さんの姿が切なく温かい)
「空気が読めない」 「変だ」と言われ続けたことが引き金となった。
本来の自分が抑えられてしまい、自分は何を考え、何を感じているのか分からなくなるそうだ。
本来の自分を偽って生きる社会的カモフラージュは、それほどの生きづらさが生じてしまうことなのだ。
社会の中では、女性に協調性や気配りが求められる。
それは圧力にもなり、女性の方が社会的カモフラージュに苦しむ人が多いそうだ。
見えない所で苦しんでいる人達がいることを知ってほしい。
千葉大学 大島郁葉教授
カモフラージュは、マジョリティーの世界に合わせて合格をもらえるマイノリティーのようなもの。
人間を動物に例えると、犬の学校に猫が通うようなもの。ドッグフードを食べて、おいしいくないのに「おいしい」と言ったり、ドッグランを走りたくないのに走っている、それくらい無理をしている状態。
(🐶と🐱の例えがわかりやすすぎる〜)
社会的カモフラージュをするほど、社交不安、全般性不安などが高い傾向がある。
いろんな人達が自閉症であることに傷つき、自分でどうにかしたいと思っている。誰かが助けてくれないから、自分でどうにかしようと思ってしまう。誰かが助けてくれたり、「みんな違っていいじゃない」と言ったりする社会だったら違う。
画一的に染まった社会構造の問題で、マジョリティー側の課題。
女性の主治医である本田秀夫先生
(本人が)自分のことを分析できるようになってきている。多少の気分の変動はあったとしても大きく社会生活を損なうことなく手段を考えついて、ある程度生活の中でできるようになってくると、落ち着く方は多い。
その人の立場にはなれないけれど、世の中にはこういう人達がいることを少なくとも頭で分かってもらうことが大事。みんなが、自分ができるからこの人もできるだろうと絶対思ってはダメ。(本人は)背景には、他の人から見ると想像できないことがあるんだろうと知ってほしいんだと思う。
背景まで含めて知ることが、自閉症スペクトラム症の人達に共感できなくても理解する上でとても必要。
女性は、「自分の特性を隠して、結局はパニックになって、周りも自分もヘトヘトということを繰り返していて、このままじゃいけないと思うようになって、もしかしたら、カモフラージュって必要ない、むしろ私にも周りにも悪影響なものなのかもしれないというふうに心境の変化が起きてきた」
「自分に負担なく自分らしくいられるコミュニケーションがあるのなら知りたい。人とコミュニケーションを取ることは嫌いではないし、諦めたくないし、良かったと思う瞬間はあるので、希望は捨てていない」と語っていた。
社会的カモフラージュをしなくてもすむ社会が理想だけど、まずは『知る』ことが大切だ。
もしかしたら、あなたの近くにも苦しんでいる人がいるかもしれない![]()
(社会的カモフラージュを知ってもらうために、日常をオープンにしてくれたお母さんと娘さんに感謝します🙏🏻)
自閉症スペクトラム症(知的障害がない)の成人の約70%が社会的カモフラージュを行う傾向がある。



