ひきこもっていた息子が少し落ち着いて元気になってきたら
「農業をしたい」と言い始めた。
私は「裏庭の草を取ってやってみたら」と、半信半疑ながら答えた。
わが家の裏庭は、家が一軒建つくらいの広さがある。
それから息子は黙々と毎日裏庭を耕し始めた。
そこは、(草刈りが間に合わず💦)草が生え放題で年々雑草の種類が変わっていき、ついにカヤだらけになっていた。

カヤの根は地中深くはって広がり、簡単には抜けなくてとてもしぶとい。
数カ月間、息子は根気よく根を掘り続けていった。
気がついたらカヤは一面きれいに取り除かれ、畑の畦が整然といくつもできていた。
夫と私は、「(息子に)こんなエネルギーがあったんだ!」と驚いた![]()
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息子は苗を買うのではなく種から育てることにこだわっていた。
ポットに種を植えて、いろいろな場所に置いて発芽しやすい環境を実験していた。
100均で買ってきたいろいろな道具を使って工夫していた。
YouTubeでも土作りや栽培方法を調べていた。
息子には、働かないで家にいるのなら自給自足をしようという想いがあったようだ。
私は心の中で(そんなこと無理だよね。現金収入がないと暮らしていけないよね。アルバイトでもすればいいのに、、、)と思っていた。
反面、息子が何か一生懸命考えながらやっていることが嬉しかった。
そんな両方の想いが自分の中に混在していた。
いろいろな会に参加して私が息子の畑作りのことを話すと反応は両極端だった。
「ふっ」と鼻で笑って、全く関心を示さない人もいれば
「息子さんのやっていることは素晴らしい」と言う人もいた。
その人その人の価値観がかいま見えた気がした。
種から植えた小松菜が初めてできた時は、息子は嬉しそうだった。
さっそくそれを使って料理をして、家族で食べた。
ほっこりと幸せな気分だった。
今の息子は、外に意識が向いているので、畑作りにそれほど興味は持っていないようだ。
それでも、土を耕したり草取りはしている。
私も野菜をちょこっと植えているので、そのことが共通の話題になっている。
畑作りの時間は、息子の心の回復に必要な時間だったと思う。
子どもがやってみたいと言ったことを
意味があるとかないとか
価値があるとかないとか
将来役立つとか立たないとか
親の色メガネを通してジャッジするのではなく
ただ受け入れて、いっしょに楽しめたらいいのだと実感した。
もちろん、何もしないで休むという選択もOKで、それも大切な時間だ。
先日のNHlKラジオ『不登校・さて、どうする?』でKunさんが話された
進路選択は進学だけではない
という言葉に、私は深く共感している![]()
