少し前から雑貨屋さんに小さくて可愛い雛人形が飾られている。



思わず立ち止まって、欲しいな〜と思ったけど、そういえば家にも小さな雛人形があることを思い出した。



それはまだ独身の頃、両親と京都に祖父母の納骨に行った時に購入した物だ。



家族旅行などほとんどしたことがなかったけれど、その時は両親と3人で京都観光をした。



お土産やさんでいろいろな小さな雛人形を売っていて



どれにしようかさんざん迷って、一番優しそうな顔のを選んだ。



父は待ちくたびれて、そんな私にイライラしていたけれど、両親と旅行した私の数少ない思い出だ。



結婚してもしばらくは毎年その雛人形を出して飾っていたが



息子の子育てが大変になってきて、それどころではなくなった。






押し入れの中を探してみたら、箱の中にきちんと納められた小さなお雛様を見つけた。



さっそく出して飾ってみた。



ほっこりと優しい気持ちになれて、まだ元気だった頃の両親を思い出し、懐かしかった。



そして、今は自分の心に少しゆとりができてきたのかなぁとも思った。



『しあわせ雛』っていいね



子どもの頃、父は県外に出張する度に、その土地の名産品である人形をお土産に買ってきていた。



山口県に行った時には、漆塗りの大内人形のお雛様を買ってくれたのだが



思春期で父親に反発していた私は、不貞腐れて喜びもせず、「ありがとう」とも言わなかった。



あの雛人形は、まだあるかしら。



今度実家に帰ったら、持ってこようかと思う。



仕事人間だった父との思い出はほとんどなく、点と点をつなぐようにかすかな記憶をつなぎ合わせて



父親に子どもへの愛情があったことを見つけようとしている自分がいる。






今度の雛祭りは、自分で自分のお祝いをしようと思う。



今は大変なお母さんもそうでないお母さんも



少しでも息抜きをして、自分で自分を労いましょう。



ほっと一息つける時間が持てますようにおねがい





大内人形のお雛様はこんなだった