私は2015年半ばから1年間、シドニーにあるEF Sydneyという語学学校に通いながら、大学進学に向けた英語の準備を行いました。その後、2017年2月から2020年初めまでタウンズビルにあるジェイムズクック大学に進学をしました。

 

当時から多くの周りの人たちは、オーストラリアに魅力を感じ、永住権取得を希望している人たちも数多くいました。

 

オーストラリアならではの自然やのびのびした雰囲気に魅力を感じる人が数多くいるのでしょう。実際に私もその一人であったため、さまざまな都市にも旅行をしました。行ったところは、ケアンズ、ブリズベン、ゴールドコースト、メルボルンです。

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オーストラリア人自体もフレンドリーで気さくな性格であるので、そこも個人的には好きなところでした。

 

ところで最近は、日本人によるオーストラリアでのワーホリがニュースになっています。ワーホリ(ワーキングホリデー)とは、18歳から30歳までの人たちを対象に休暇目的の入国を許可し、就労や就学を行わせる制度を指します。

 

豪ワーホリに日本の若者殺到 工場で月50万円稼ぎ描く夢

 

シドニー滞在時で出会った日本人の中にもワーホリをしている人は多く、当時からオーストラリアは人気の渡航先でした。

 

しかし、急速に進み円安がフックとなり、そのニーズは一気に加速した模様です。正確には、オーストラリアドルの価値が高まっているため、現地で働くことでより稼げる状態となりました。

 

例えば、私がオーストラリアを離れた2020年1月では1オーストラリアドルは76円ほどでしたが、2024年7月現在には108円まで上昇しました。4年半で42.1%(108÷76)ほどドル高となっています。

 

例えば、私が大学時代にしていた日本食レストランでのアルバイトの時給は20ドルほどでした。前者のレートで円換算をすると1,520円ですが、現在のレートでは2,160円となるため、640円ほど多くなっています。

 

加えて、現地の給与相場も上昇しているなら、より差額が大きくなります。このような円高が進んでいる国は、オーストラリアのみならず、シンガポールやアメリカなども挙げられます。

 

現状からすると日本でアルバイトや正社員をするよりも、オーストラリアなど給与相場が高い国で働く方が魅力的に映るのでしょう。もちろん、以前からこのトレンドはあったのですが、最近のメディアによる円安ネタが増えたこともあり、それが後押しになっている気がします。。

 

しかし、個人的に長めの海外移住(半年以上)をするなら、その国へ関心があることや語学勉強などしたいことも持ち合わせることが重要だと思います。

 

円安だから海外で働くべきと安易に考えすぎると、後で生活が大変になりがちだからです。この原体験として、私はシドニー渡航前に2週間フィリピンのセブ島に語学留学へ行ったことです。

 

当時は、セブ島留学が流行っている時期で、周りから現地に行けば楽しく英語の勉強ができると乗せられて、あまりマーケット情報を調べずに行きました。

 

結果として、当時のセブ島はあまり治安が良くなく、街の雰囲気なども自分好みではなかったです。そこで、自身で住みごこちや周辺環境などをちゃんとリサーチをした上で、行くべきということを学びました。

 

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一方で、月給50万でここまで話題になること自体にも少し不思議な感覚があります。例えば、シンガポールのように右肩上がりで給与が伸びている国であると、これが大きな話題になることはないからです。

 

 

シンガポールの正規雇用者における平均月収の中央値
2018年:4,437SGD(51万7,449円)
2019年:4,567SGD(53万2,610円)
2020年:4,534SGD(52万8,761円)
2021年:4,680SGD(54万5,788円)
2022年:5,070SGD(59万1,270円)
2023年:5,197SGD(60万6,081円)

*1シンガポールドルは116円計算

 

Summary Table: Income|Ministry of Manpower

 

 

一旦は税金や為替レートを無視したとしても、上記のトレンドからも景気が良い国に人が流れ込むのは自然の流れということが読み解けます。日本の企業にとって、自社のPR・宣伝をいかに上手くするか云々よりも、まず一定の給与を提示できるかが根本的な課題です。

 

そうでないとこの流れがさらに加速して、さらに労働力不足や優秀な人材の海外流失なども引き起こしかねません。