最近の経済ニュースでは、円安をテーマとしたものが注目されています。円安にまつわる為替、物価、インバウンド需要、海外旅行や海外留学の費用増加などが挙げられます。

 

2024年は夫婦でハワイに行くと「60万円」かかる!? 5年前は「30万円」ほどでしたが、食材を持ち込んで「自炊」すれば節約できるでしょうか? 円安でかなり高くなってますよね?

 

私は2020年3月から23年半ばまでシンガポールに滞在しており、そこで肌感覚で円安を感じられました。

 

まず、為替から見ると2020年3月は1ドル76円でしたが、2024年5月末では115円です。この4年半ほどで51%(115÷76)ほどドル高円安となっています。

 

また、シンガポール滞在時には、ビジネス系のコミュニティである「シンガポール和僑会」に参加しており、金融の専門家も多くおられました。そこでのイベントで、2021年あたりからよく円安が話の話題となっていたため、円安を考えるきっかけが身近にありました。

 

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円安が進行することは、多くのシンガポール人からするとシンガポールドルの価値が上がっていくため、日本旅行がしやすくなるなどメリットが多いです。

 

個人的に円安だから海外移住をするのはオススメしないですが、今後のことを考えると若い人ほど円安のトレンドは考慮することは重要だと思います。

 

今回は、大学生向けに円安に備えたキャリアの準備について深掘りをしていきます。補足として、海外に興味がある方を対象としており、円安は一つの要素として考えています。

海外移住と円安に備えた準備

①語学学習

将来、海外に住んでみようと少しでも考えている方は、まず語学学習を始めることが大事です。

 

私は高校生の時から英語には関心があったので、英単語や文法はよく勉強していました。そして、18歳の時に(オーストラリア国内)海外大学を目指すことになり、大学受験で使用されているIELTSという英語試験に向けた学習を始めました。

 

語学学習については、海外就労や海外生活を目的とするなら、基本的にスピーキングやリスニングを重視した方がいいです。例えば、私がシンガポールの現地企業で就職した際の面接では、簡単な英文法のテストもあったけれど、英語のスピーキングが面接の中心に行われました。

 

その仕事の専門性があるかどうかよりも、特に海外の外資系なら最低限英語を聴けて話せる方が重要視される傾向にあります。

②経済成長している国のリサーチ

大学時には英語学習をしている方は多いと思いますが、その先の話となる興味のある国のマーケットをリサーチしている方は意外と少ないです。

 

私は大学卒業したタイミングでこれらを考え始めたため、学生の時はビジネス英語などばかりに意識が入っていたのはもったいなかったと思っています(笑)。

 

経済成長している国の確認方法として、その国の経済成長率、平均月収・年収とその増減率などの指標が挙げられます。そして、実際に自身がその国に深い興味関心を持てるかも確認する必要があります。

 

まず、経済成長が著しい国の一つであるシンガポールの平均月収の中央値における推移を例に見ていきます。

 

シンガポールの正規雇用者における平均月収の中央値
2018年:4,437SGD(51万7,449円)
2019年:4,567SGD(53万2,610円)
2020年:4,534SGD(52万8,761円)
2021年:4,680SGD(54万5,788円)
2022年:5,070SGD(59万1,270円)
2023年:5,197SGD(60万6,081円)

*1シンガポールドルは116円計算

Summary Table: Income|Ministry of Manpower

 

 

2018年から2023年の5年間で、約760ドル(8万8,632円)増加しています。裏を返せば、円安であってもこのような国で就労すれば、円安の恩恵を受けられます。

 

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また、これらはオンライン上で誰もが手に入れられる情報ですが、後者は現地に行き五感を使って判断する必要性があります。

 

個人的に大学生など比較的時間のある方ほど、後者を中心に決めて良いと考えています。イメージとして、その国の経済指標を考慮しつつ、あとはその中から現地に入って好きなところに移住する流れです。

 

シンプルに経済成長している国に行けばいいわけでもないし、そのような国が自身に合っているかを考える上で、数値のみを見ることは移住後のリスクが大きいからです。

ただし、学生の時から海外のマーケット情報を見ていくことで、情報感度が一気に高まるので、それ自体はおすすめです。

③専門家への相談

専門家に意見を訊いてみることは、どの分野でも大切であり、海外移住を検討する際も同様です。

 

一般的にスキルや経験が少なめの大学生だからこそ、むしろこれらを活用するべきです。傾向としては、海外でも一定の年齢が達したらそれ相応の経験が求められることがあるからです。

 

あと、大学生のうちから色々な国の情報を得ておけば、早い段階でその準備や意思決定も行えることも重要な点となります。

 

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先述のシンガポール移住を検討した際には、GJJ株式会社(GJJ)を経営されている田村貴志さんにご相談をさせていただきました。GJJさんは、海外就職からその後のキャリア育成に向けた人材育成のサービスを行う法人となります。

 

GJJさんの強みは東南アジアを中心とした各国々の人材会社のエージェントとコネクションを持っている点です。シンガポールであれば現地の複数の人材会社とのコネクションがあるため、多角的に情報収集をしやすい点が特徴です。

 

田村さんとのお話の中で、具体的に自身がシンガポールでビザ取得ができそうか、シンガポールのマーケット情報などのコンサルティングをしていただけました。

 

このような相談時には、今後成長しそうな国や自身の状況に基づいて就職できるチャンスがある国などを訊く良いでしょう。