食べる?
オレを食べんの?
ホラー映画みたいに頭からバリバリと……
そんなわけないけど
今言われたのは、確実にそっち方面
しかも、オレが食べられちゃうで間違いなさそう
「え?」
「ふふふ。だって、さっきの櫻井さん。すごーく気持ちよさそうだったよ」
そう言われて、さらにかぁっと顔が熱くなる
「なっ何言ってんだよ!」
「可愛いなぁ」
めっちゃ焦ってるオレに対して、余裕な相葉くん
それだけでもちょっと悔しいって思うのに、完全に自分の気持ちを読まれていてものすごく恥ずかしい
「隣に行ってもいいですか?」
相葉くんは綺麗な笑顔のまま、そんなこと言うから
「まっまだ、食べてんだろ」
「じゃ、食べ終わったらいいですか?」
そ…そうなりますよね…
「全部残さず食えよ」
「はぁーい」
まるで語尾に♡マークでも付く勢いで返事をして、相葉くんは食べ始める
オレは…
全くと言っていいほど味が分からないまま、パスタを口に入れた
「ごちそうになったんで、後片付けは俺がしますね」
なんて、イケメンの王道のようにささっと片付ける
そんな姿をソファの隅っこの方で小さく座りながら眺めていれば
「そんなに見つめられると、照れちゃいますよ」
「みっ見てねぇから!」
手元にあるクッションを抱きしめて顔を埋める
もしかしたら
もしかしたら、今日、そんなことになるのか?
抱きしめられて
あんなキスをされたら
抵抗できることなんて出来ない
そんなことを思っていると、隣に相葉くんが座った
「お待たせしました」
たぶん笑顔でそんなことを言ってるんだろうけど、顔なんて上げれない
「櫻井さん」
オレを呼びながら、髪に触れる
そして、耳元に唇を寄せ
顔見せてくれないと、このまま食べちゃいますよ