行きましょうか
店から出て、今日はこれで帰るのかと思っていたら、そんなことを言われた
「どこに行くの?」
「櫻井さんは、食べれない物あります?」
「え?いや、ほとんどないけど、パクチーはムリ」
「じゃ大丈夫ですね」
「何が?」
「行きましょうか」
「だから、どこだよ」
ちょっとイラっとしながら相葉くんを見れば、やっぱりにこにこしながらオレを見てる
「夕飯の買い出しです」
「は?」
「寒いから鍋しようかなぁって思ったんで」
「相葉くんの部屋で?」
「警戒します?」
「しねぇーよ」
「した方がいいかもしれませんよ?」
「男に警戒するかよ」
「ふふふ」
警戒するようなことなんて何もない
だいたい、こいつはオレのことどんな風に見てんだよ?
やっぱりちょっとイラっとしながら歩きだす
「どこ行くのか分かってるんですか?」
「スーパーだろ」
「櫻井さん、可愛すぎですよ」
「うっせっ」
完全に相葉くんのペースに巻き込まれているのがわかっているけど、それはそれで仕方ない
「置いていくからな!」
たぶん悪あがきみたいなんだろうなと思いつつ、追いかけてくる相葉くんを見て、思わず笑ってしまった