「バレたんだって?」
弟の修が部屋に入ってくるなり、そう言ってきた
「え?」
「分かりやすいからね、アニキは」
そう言うと、ベットに腰掛けてオレの方を見る
「なっ何言ってんの?」
「動揺しまくり」
「…」
「まぁね、薄々気が付いてたんだけどね。その履歴、消しとかないとあぶねぇーから」
オレの方…いや、座っている目の前のパソコンの画面を指した
「…見たの?」
「この前さ、ちょっと調べものしたくて借りたんだけどさ。マジ、ビビるから」
「お前、勝手に見るなよ!」
「だってさ、最近ずっとアニキが思い詰めたような顔してたし。弟としては、心配だったんだよ。可愛いアニキが変な事に巻き込まれてんじゃねぇーかって」
「変な事ってなんだよ?つか、可愛いってなんだよっ!」
「あのさ、アニキは知らないと思うけど。後輩にも人気あるんだよ?相葉さんもだけど」
「は?」
「まぁ、相葉さんに言っといてよ。俺のアニキを泣かすなってさ。そん時はマジで許さないって」
オレより、デカくなった修は大きな手でオレの頭を撫でた
「…ってことがあったんだけど」
隣で座っている相葉くんは笑いながら
「俺、しょーちゃんのこと、大切にしなきゃな」
なんて言いながら、オレの顔を覗き込む
「そうじゃなくて、バレたことはいいの?」
「なんで?」
「だってさ…ほら…」
「俺とってことでしょ?」
「うん」
相葉くんは、そんなことかぁーっていいながら、オレを抱きしめる
「それならさ、俺のかあちゃんも分かってったっぽいよ?おばさんとそんな話で盛り上がったって。昨日さ、いきなり部屋に入ってきてさ
翔くんのこと、大事にしなさいよ!
とか言ってさ。俺、笑ったもん」
「え?!」
「なんかさ、みんなに認めてもらえるって幸せだよね」
「…まぁそうかも」
「でしょ」
相葉くんはにこって笑って
「でね、しょーちゃん」
「ん?」
「今度の日曜日なんだけど」
「何?」
「町内旅行なんだ」
相葉くんが真剣な顔をして、オレを見つめた
「……いいよね?」