翔さんの口から聞きたくなかったよぉー
ニノが目の前で頭を抱えながら言った
「なんだよ、それ」
「いいの、こっちの話」
「は?」
ニノはうーって唸ってから、顔を上げた
そして真っすぐオレを見るから、なんか照れる
「なんだよ」
「翔ちゃんもさ、そういう事考えるようになったんだなって」
「どういう意味だよ」
「オトナになったねー」
「バカにしてんの?」
「違うよ。悔しいけどさ、翔ちゃんは相葉さんのこと、好きなんだよね」
そう言われて、間違いではないから素直に頷く
「ああーやっぱり、ヤダ」
「何がだよっ」
「翔ちゃんは、一生綺麗なままでいてほしい」
「オレ、どんな風に見れてんの?」
「そのままです」
「話が進まねぇじゃねぇかよ」
ニノははぁーってため息をついて、よしってなんか気合を入れなおしてこっちを向く
「翔ちゃん」
「ん?」
「翔ちゃんがさ、そんな風に考えてるなら、相葉さんと一緒にしたらいいんじゃない?」
「でもさ、なんか相葉くんが準備するからいいって言うし」
「それはそうなんじゃない?あの人、すっごく翔ちゃんのこと考えてるし」
「それは分かるんだけどさ。オレも相葉くんばっかりじゃ悪いっていうか。ほら、こういうことって一人じゃ出来ないだろ?」
「そうね」
「ニノだって、智くんとするときは準備とかしてんじゃないの?」
「あの人は、なんでもしちゃうからね。俺に何かさせたくないみたい」
「え?」
「なんかさ。こういうと恥ずかしいんだけど、俺がいてくれればいいって……はずっ!」
「愛されてるね」
「まぁね」
「ごちそうさま」
「翔ちゃんだって、そうでしょ。相葉さん、翔ちゃんのことしか頭にないよ」
「そうかな」
「何が心配なの?」
「だってさ…オレも男だよ。ニノは可愛いからいいけど、オレ、こんなだよ?可愛くも綺麗でもない。そういうことになった時、オレの身体を見て、幻滅するかもしれないじゃん。柔らかくもなんともないし、やっぱりヤダって…」
「そんなこと、考えてたの?」
ニノはふっと笑って
「あの人はそんなこと思ってもないと思うよ」
「え?」
「さっきも言ったじゃん。翔ちゃんのことしか考えてないって」
「でも」
「じゃ、翔ちゃんは相葉くんの身体見たらダメになると思う?」
「そんなこと!」
「相葉さんだってそうだよ。大丈夫、そんな心配しなくても気持ちは変わらないから」
ニノは優しくオレを抱きしめると
「もし、そんなことでダメになるようなら、俺が翔ちゃんを受け止めてあげるよ」
そう言って可笑しそうに笑った