キミはママ 6 | 青いたんぽぽ

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櫻井翔の本気は、本気でヤバいのよ

 

 

 

 

 

 

 

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「まま!ぱぱ!」

 

部屋を出た俺らに空が笑顔で駆け寄ってきた

 

「空」

 

キミは空をきつく抱きしめる

 

「上手くいかなかったみたいね」

 

俺らの顔を見て、キミのお母さんは困ったように笑った

 

「すみません」

「相葉くんが謝る必要なんてない。父さんの方が…」

「しょーちゃん、そんなこと言わないの」

 

俺はキミの肩に手を置く

 

「お父さんの言うことは、俺も分かるから」

「でも、相葉くんのご両親はあんなこと言わなかった。オレのこと、受け入れてくれた」

「うちの両親は、単純だからね。綺麗な嫁さんをもらったなんて言ってるし」

「そんなこと」

「大丈夫だよ、しょーちゃんのお父さんだもん。分かってくれるって」

「でも…」

 

俺はキミの肩から手を離し、髪を撫でる

 

「大丈夫。いつかはきっと分かってくれるって」

「相葉くん…」

 

俺はにこりと笑って、今度は空の方を向く

 

「空」

「なに?」

「空、おじいちゃんに会ってみない?」

「え?」

「相葉くん!」

「じぃじ、いるの?」

 

不思議そうな顔をして、空が俺の顔を見る

空は俺の両親には会わせている

だから、うちの両親のことをばぁばとじぃじと呼んでいた

 

「うん。空には、もう一人おじいちゃんがいるんだ」

「会わせなくていいよ」

「しょーちゃん。今、しょーちゃんのお父さんに会わせないと今度いつ会えるか分からないんじゃないの?」

「そうだけど…」

「でしょ。だったら、顔だけでも見てもらいたいじゃん。さぁ、行こうか」

 

俺は空に手を差し出す

 

「父さん、会ってくれないかもしれないよ」

 

心配そうな顔で言うキミに、キミのお母さんは笑って言った

 

「それは大丈夫よ」

「え?」

「私がいるじゃない。私にも頼りなさいよね。ホント、翔はそういうとこ、お父さんに似てるんだから」

「なんだよ」

「いくら反対されてるからって言っても、自分の子供に会いたくない親なんていないのよ。可愛がってる子の子供なんだから」

「でも、父さんは…」

 

 

「空くんに1番会いたがっていたのは、実はお父さんだったのよ」

 

 

キミのお母さんは、可笑しそうにそう言った

 

「え?」

「内緒よ。翔が子供を引き取ったって話を聞いたときは、本当に反対だったのよ。けどね、私が会ったり写真を見せたりしてね、あの人ったらおかしいの。こっそりと、空くんの写真を見たりして笑ってるのよ。素直じゃないんだから」

「でも、あんなこと…」

「引っ込みがつかなくなったの。猛反対して手前、空くんに会いたいなんて言えないでしょ。血は繋がってないけど、不思議ね。翔の小さいころに似てるの。あの人、翔が産まれた時、本当に嬉しかったのよ。翔が可愛くて仕方なくて、『翔は、婿でも嫁でもやらん!』って。親バカもいいとこだったんだから」

「知らなかった…」

「だからね、翔。いくつになっても、親は子供が可愛いの。心配なの。お父さんは分かってるのよ、素直じゃないだけだけどね」

 

キミのお母さんは、キミの頭を撫でながら笑う

 

「相葉くん、あの人が嫌な思いをさせてしまって本当にごめんなさいね。今日は、私があの人に空くんを会わせてもいいかしら。まだ、素直にあなた達に会えないと思うから」

「はい。すみません」

「ごめんなさい、母さん」

「あら、謝る事なんてないわよ」

 

キミのお母さんは、俺らの顔を見て

 

「あなた達は人には迷惑をかけるかもしれないけど、一つも悪い事はしてないわ。だから、堂々としてなさい」

 

そう言うとにっこり笑って、空を抱き上げた

 

 

 

 

つづく