前髪を結んだしょーさんが
ヤバいくらいに可愛い…
あれ、ヤバい←語彙力
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
「はぁーーーーーーーーー」
「なんなの、その長いため息は?」
朝、目が覚めて、どうしてもあいつと顔を合わせるのがなんともいえなくて。
何かに追われるように家は出た。
そして、誰もいないと思ったはずの美術室には、智くんとニノがいた。
「どうして、2人がここいるの?」
「朝の2人の逢瀬」
「え?あの噂、ホントなの?」
驚いてるオレを見て、ニノはにやりと笑う。
そんなオレらを見て、智くんは呆れた顔で。
「違うよ。俺は、課題が終わらないからさ。んで、ニノは今日提出しなきゃならない宿題を学校に忘れたから早めに来てしてるんだって」
「珍しいね、ニノが忘れるなんて」
ニノは智くんと同じで、隣のクラスだけど、小さい頃からの気の許せる大切な友達。
この2人はホント仲良くて、一部の女子からは付き合ってるんじゃないかって噂されるほど。
当の本人たちもそれを面白がってる節がある。
「だってさ、昨日は新作のゲームが発売日だったし。宿題どころじゃないよ」
ニノはかなりのゲーマーで、将来はそっちの方に進みたいって言ってる。
オレもそのほうがいいんじゃないかって思うよ。
「で、翔ちゃんは部活?」
ニノは机にノートを広げ、ペンを走らせながら聞いてきた。
ここで、空いてる机に突っ伏しながら冒頭のオレため息。
「もぉーさー」
「何?」
「わけわかんねぇーよ…つか、智くん、何してんの?」
机に突っ伏してるオレの前髪を、智くんがわさわさしてんなーって思ってたら、なぜか前髪を結んでる。
「こっちも可愛い」
「は?」
「はい、動かない」
智くんはにっこり笑って、課題を止めて、またスケッチブックを開いて鉛筆を握った。
「またなの?」
「この前、言っただろ。翔くんを見ると描きたくなるって」
「あなた、それ、病気よ?」
「なんとでも言え」
真剣な顔つきになった智くんをそのままにして。
「朝練は、すっぽかす」
「珍しいじゃん」
「する気にならない」
「へぇーサッカー大好きな翔ちゃんがね。で、なんかあったの?」
「うん…あっ、ニノ、ここ間違ってる」
「どれ?」
広げてあるノートの問題が目に入り、思わず間違いを見つけてしまって訂正してあげる。
一応、これでも学年トップの成績。サッカー部のエースのはず←
「オレ、モテる要素は揃ってると思うのに、なんでモテないんだろ?」
「無自覚って怖いねー」
「え?」
「それは、俺の努力の賜物」
「智くん、何言っての?」
「こっちの話」
「そうね、そっとしておいてあげて」
「何?」
「で、どうしたの?」
「え?」
「え?じゃないでしょ。そんなふかーいため息ついて。お兄ちゃんとなんかあったの?」
「へ?な…なんで、知ってんだよ!」
今度はニノが深いため息をついて、智くんが持っていた鉛筆をばきって折った。
つづく