前の回が、申し訳なさ過ぎて…
でも、今回も申し訳ございません←懲りてない
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
部屋に響いた乾いた音と右頬の痛みで、自分が何をしたのかを理解する。
「ごっごめん!!」
今更謝ったことで、言ってしまったこととやってしまったことを無くすことには出来ない。
「…最低だな」
涙を浮かべながら、俺を見るしょーちゃんに罪悪感しかない。
「ごめん!本当にごめん!俺…」
「オレ、相葉さんがニノのこと、好きだって思ってたから、付き合うってことになって、すごく悪いと思って謝ろうって思ってたのに。なんだよ、これは。なんで、オレにこんなことしたんだよ!」
「それは…」
しょーちゃんは、俺のこと好きだったんだよ
そんなこと言えるはずがない。
そんなことを言ったって、今のしょーちゃんは俺のことなんてそんな風に想ってもいないし。
それに、俺はそんなしょーちゃんの想いを断ってしまっているのだから
しょーちゃんのことを、大事に想ってるニノと付き合うことを心から祝福してあげるのがいいって分かっているのに
嫌だ
そう思っている、俺がいる。
しょーちゃんの隣にいるのは、俺がいい
しょーちゃんに触れるのは、俺じゃなきゃ嫌だ
…なんだよ
そういうことなんじゃないか
俺は、しょーちゃんのことが……
「そんなに、オレのことが嫌いなのかよ」
しょーちゃんは、悲しそうな顔をして笑いながら言った。
「え?」
「そっか、そういうことだったんだ」
「何、言ってんの?」
「オレ、相葉さんに嫌われてたんだ。だから、オレ、相葉さんのことを忘れてしまったんだ。ごめんね、相葉さん。オレ、分からなくて。それなのに、嫌な奴が一緒に居ようだなんて思ってて。ごめんね、本当にごめんなさい」
「ち…違う!違うよ、しょーちゃん!」
「相葉さんは、優しいから。我慢してまで、一緒に居させてごめんね」
「だから…」
違うって。そんなことはないんだって。
そう言おうとした時、俺のスマホが鳴る。
「しょーちゃん!」
「出なよ、仕事かもしれないだろ」
しょーちゃんは、俺の言葉を聞かないように目を逸らした。
鳴り続けるスマホの画面を見れば、
ニノ
そう表示されている。
出たくない
そう思うのに、出ないわけがいかない雰囲気をさせる着信音。
「何?」
『翔ちゃん、いるよね?代わって』
有無を言わせないような口調で、ニノが俺に言った。
俺はスマホを通話のまま、しょーちゃんに差し出した。
「何?」
「ニノから」
受け取らないでくれ
そんな出来ないことを俺は願ってしまってる。
差し出されたスマホをしょーちゃんは受け取り、ニノと二言三言話して、俺に返した。
「誘っておいて悪いんだけど、オレ、先に帰るね」
そう言うしょーちゃんは、俺に目も合わせてくれない。
そんな態度をさせたのは、まぎれもなく俺。
なのに
「ニノのとこに、行くの?」
「そうだけど」
引き止めることをするのは、間違っている。
でも、このまましょーちゃんをニノのところに行かせたくはない。
わがままなの分かっている。
どうすることも出来ないことも。
それでも
行かないで
俺と居て
俺はしょーちゃんの細く白い手首を掴んだ。
つづく