素直になれなくて。21 | 青いたんぽぽ

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どんな顔して、ここから出て行けばいいんだろう?
 
「しょーちゃん、ここに着替え置いておくね」
 
ガラス戸越しにそう言われて。
 
「あっ…ありがとう」
「温まってきてね」
 
そう言われてから、ここから出るタイミングをずっと考えてるが答えは出ず。
いい加減出ないとダメだろうなと思うけど。
 
 
ニノや松本とは、風呂に何度か一緒に入ったことはあるし、男同士だからそんなに恥ずかしがることはない。

あっでも、なんであいつらオレの裸見て目を逸らしたんだろ?
 そんなことはいいや。
 
雅紀とは昔は入ったことはあったけど、子供だったし、好きだなんてわからなかったから大丈夫だったけど。
大人になってからは入ったことはない。
久しぶりに自分の裸を見られたのは、あのときで。
 
よけー恥ずかしいわっ!
 
 
「しょーちゃん、大丈夫?」
 
突然、声を掛けられて。
 
「え?!」
「温まらない?」
 
あまりの長さにきっと心配してくれたんだろう。
あいつ、優しいから。
でも、そんな優しさは今はいいです。
 
出づらいよぉーーー
 
なんてことをしてても、いつかは出なきゃなんないし。
まだ身体が温まってないけど、意を決してバスタブから出た。
 
ガラス戸を開ければ、きちんと畳んであるスウェットと下着があって。
 
「ごめんね。勝手にクローゼット開けちゃって」
 
後ろから雅紀に声を掛けられた。
 
良かった。タオル巻いてて・・・
 
あんまり恥ずかしがってるほうが恥ずかしいような気がして。
 
「あっありがとっ」
 
って、すでに声が裏返ってます・・

雅紀は、くくくって笑いながら、スウェットを差し出され、ありがとうって受け取った。



つづく