あの日の約束。15 | 青いたんぽぽ

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進まねぇな、おいww

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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俺の隣に微笑みながら座ってるしょーちゃん。

そんなしょーちゃんがすげー可愛くて、幸せで。

 

小さい頃もこんな感じで俺は幸せだったんだろうなって思う。

 

いつも一緒にいてくれたはず。

隣で笑っていてくれたはず。

 

その頃もすげー可愛かったんだろうなって。

 

「ねぇ、しょーちゃん」

「ん?」

「小さい頃の写真ってないの?」

 

じーちゃんが絶対撮らせてくれないって言ってた。

だから、かーちゃんが黙って撮ったあの一枚しかなくて。

もしかしたら、もっと見れば思い出せるかしれないって思って聞いてみたけど。

 

「ごめん、無いんだ」

「1枚も?」

 

しょーちゃんはこまった顔をして。

 

「実家にはあるんだけど、ここには無いんだ。あんな格好してたなんて恥ずかしいだけだろ」

「え?可愛かったよ?」

「まぁーくんだけだよ、昔からそんなこと言ってくれるの 」

「ニノも大ちゃんも可愛いって」

 

「可愛くなんかないよ」

 

しょーちゃんは、テーブルに置いてあるグラスの縁を人差し指で滑らせながら言う。

 

「いつもあんな格好してたから、ずっと友達も居なくて。まぁーくんに出逢って、まぁーくんが似合うよって、本気で言ってずっと一緒に遊んでくれたから。友達もいっぱいいたのに。オレ、ホントに嬉しかったんだ。だから、ずっと一緒に居たかった。けどさ、まぁーくんが引っ越すって聞いた時、すごいショックだったんだよ」

 

しょーちゃんは、すごく寂しそうな顔していうから、ぎゅっと抱きしめる。

 

「ごめんね」

「ううん!まぁーくんのせいじゃないし!子供のオレらにはどうしようも出来ないことだから」

「そうなんだけど」

「でも、またこうして、まぁーくんと一緒に居られるようになったから」

 

しょーちゃんは、抱きしめる俺の腕に手を掛けて、こっちを向いてにこってする。

 

その姿。威力ありすぎんだろ・・

 

「もうさ、離れることないからね」

「うん」

「でも、やっぱり、ごめんね」

「だから」

「俺、その頃のこと、全然憶えてなくて。しょーちゃんのこと、なんで思い出せないのか、さっぱりわからないんだ」

「熱出したからじゃないの?」

「それもそうなんだけど。なんか他にもあるんじゃないかって。いくら熱出したからって、しょーちゃんのこと忘れるなんてさ」

「うーん。どうなんだろうね」

「俺さ、ずっとしょーちゃんと居たんだよね?」

「うん。いてくれた」

「じゃさ、しょーちゃんに引っ越すこと言ったんだよね」

「うん」

「そのとき、俺、どうだった?」

「え?」

「なんか、約束とかした?」

 

たぶんなんだけど、俺だったら、しょーちゃんと何か約束してたんじゃないかって思って。

何も言わずに別れることは絶対しないから。

 

しょーちゃんは、うんと頷いて。

 

「大人になったら、迎えに来るって言ってくれた。まぁーくん、オレのこと迎えに来るからって。

だからね、ホントに待っちゃってたんだけど」

 

なんて照れていうから。

俺、なんてバカなんだろうって。

こんなに長い間待たせてしまって。

 

「ごめんね」

「また、謝る。オレは、まぁーくんに謝ってもらいたくないんだけど」

 

しょーちゃんは、むぅーっとした顔して俺を見る。

 

可愛いねー

 

じゃなかった。

 

「ありがとう、しょーちゃん」

「うん」

 

「しょーちゃん」

「何?」

 

 

大好きだよ

 

 

腕の中にいるしょーちゃんを強く抱きしめて、キスをした。

 

 

 

つづく