あの日の約束。3 | 青いたんぽぽ

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しょーさんのビジュ


ヤバい(´⸝⸝•ω•⸝⸝ `)


まだ、出ないからw


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

なんとか、一人の子を捕まえたヨコを尻目に、俺と櫻井さんは他の女の子を断って店から出てきた。

そんなにクリスマスを女の子と過ごしたいわけでもないし。

男同士で過ごすのも嫌いじゃない。

その日がたとえ、自分の誕生日だったとしても。

 

「お疲れさまでした」

 

櫻井さんはずっと爽やかなまま、俺に労いの言葉を掛けてくれる。

 

「それは、櫻井さんの方じゃないですか?」

「そんなこと。相葉さんも横山さんに引っ張れたほうじゃないですか?ニノがぶつぶつ文句言ってましたし」

 

櫻井さんは、可笑しそうに笑う。

その笑顔がすごく可愛いと思う、俺は変なのかな?

 

ずっとそうだった。

みんなと話している時間。ずっと櫻井さんが気になって。変な意味じゃないと思うけど。

話をして、楽しいと思ったし、しぐさが可愛いと思ったし。

そして。

 

気になる意味が、そういうことではなく。

どこかであった気がしてた。

 

「あの」

「はい」

「今更、ナンパみたいなこと言いますけど」

「はい」

 

俺とどこかで会ってませんか?

 

櫻井さんは、ふふふと笑って。

 

「櫻井翔。聞き憶えありませんか?」

「え?」

「じゃ、『しょーちゃん』」

 

まっすぐ見つめられ、そう言われて、頭の中をフル回転するが引っかかることがなく。

 

「ごめんなさい」

 

そう言えば、櫻井さんふっと寂しそうな顔になったがすぐに笑顔になって。

 

「ごめんなさい、変な事聞きましたね」

「いえ、そんなこと!もしかしたら、以前どこかで」

 

そう謝る俺に、櫻井さんは。

 

「相葉さんが、ナンパみたいなこと言うから、オレも真似しただけです」

「え?」

「気にしないでください」

 

櫻井さんはそう言って笑うが、どこか寂しさは残ってて。

 

俺、何か大事なことを忘れてるんじゃないか?

 

そう思うんだけど、何も思い出せなくて。

 

「櫻井さん、俺」

「だから、気にしないでくださいって言ったじゃないですか」

「でも!」

「相葉さんは、やっぱり優しい人なんですね」

「え?」

 

変わらないね、ずっと

 

呟くように言うから、気になって。

 

「あの!」

 

って言ってみたけど、何を言っていいか分からなくて。

そんな俺に櫻井さんは。

 

「オレ、ここで」

 

にっこり笑って、駅の方を指す。

 

「今日は、楽しかったです。今度は、ニノと一緒に飲みましょうね」

 

って言って、帰ろうとするから。

 

「あの!」

「はい?」

 

「俺、クリスマスが誕生日なんです!」

「あっ、おめでとうございます」

「ありがとう。じゃなくて!その日、仲間と飲もうって言ってて。だから、櫻井さんも来てください!」

「え?」

「今日会ったばっかで、何言ってんだと思うかもしれないけど。ニノも来るんで、一緒に!」

 

なんでこんなに自分が必死なのか、全然分からないけど。でも、このまま、櫻井さんと別れるのは絶対嫌で。

 

「ヤローばっかだから、大丈夫だし。もし、変な気を起こす奴がいたら、俺、守りますから!」

 

言ってることがめちゃくちゃなのは分かってる。けど…

櫻井さんは、必死な俺にあっけに取られてけど、すぐに笑いだして。

 

「面白いですね、相葉さんは」

「そうですか?」

「ええ、とても。でも、そんなとこにオレが行ってもいいんですか?大事な日でしょ?」

「大事だからです!だから、櫻井さんに来てほしいんです!」

 

櫻井さんは、うーんって悩んで。

 

「分かりました、ニノと行きますね」

 

そう言ってくれたから、俺は、よっしゃー!って両手を上げる。

櫻井さんは俺を見て、さらに笑って。

 

「楽しみにしてますね」

「はい!で」

「はい?」

「俺のこと、相葉さんって言うの、止めません?」

「え?」

「なんか、相葉さんって櫻井さんに言われるの、なんか嫌で。ほら、年も同じでしょ?」

「そうなんですか?」

「さっき、年の話してたじゃないですか」

 

女の子たちと話してるのを聞いてて、俺と同い年じゃんって知って。

 

「俺のこと、呼び捨てでいいですから」

「それなら、オレのことも呼び捨てで」

「うーん、なんかそれもヤダな」

「え?」

「俺、しょーちゃんって呼んでいいですか?」

 

そう言うと、櫻井さんは驚いた顔をした。

 

「なんか、翔っていうのは違うって思うし。しょーちゃんのほうがあってる」

「本気ですか?」

「本気です。嫌ですか?」

「いえ」

 

櫻井さんは、俯くとふるふると頭を振った。そして、顔を上げて。

 

「分かりました、じゃ、しょーちゃんでお願いします」

「はい!で、俺のことは?」

「相葉?」

「うーん、違う」

「じゃ、ま…雅紀で」

 

なにか違うと思ったんだけど、それが何か分からない。でも、それを言っても俺もしょーちゃんも分からないから。

 

「それでお願いします!しょーちゃん!」

 

お互い笑いだす。

 

「なんか、敬語っても変だね」

「呼び方だけ変えてもね」

「じゃ、楽しみしてるから」

「うん、絶対来てね!」

 

この会話もどこか懐かしいような…懐かしい?

よくわからないけど、しょーちゃんが笑ってるから、後で考えよう。

 

俺らは、会う約束をして、その日は別れた。

 

 

 

 

つづく