あなただけをみつめる。17 | 青いたんぽぽ

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ぽそぽそと書いてます…
腐なので、ご注意ください(笑)

常に雑食←

 

ちょっとは進めようと思うw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜

 

 

 

持っていた絵をぎゅっと握り、そして、絵を奥に片付けた。

一度、俯き目を瞑り、顔を上げる。

 

「松本、戻れよ」

 

そう松本の肩を叩き、オレは入り口で待つ、相葉さんの元に向かった。

 

「いらっしゃいませ」

 

笑顔で言えば、相葉さんはちょっと緊張した面持ち。

そうなるのも仕方ない。あんな別れ方をしたのだから。

 

「どうしました?」

 

オレはいつも通り、他のお客様と同じように笑顔で接する。

相葉さんは、一度オレから目を逸らすと、ポケットからメモを取り出し。

 

「村尾さんからお願いされまして」

 

と言ってオレに渡す。

 

「お使いですねw」

 

オレは笑ってそのメモを受け取ると、書かれている本を探すために相葉さんに背を向けた。

 

「あのっ!」

 

相葉さんに呼ばれて振り向けば。

 

「櫻井さん、あの時はすみませんでした!櫻井さんに言わせたくないことを言わせてしまって。俺の態度が悪かったです!ごめんなさい。それで、俺、あれからいろいろ考えて、櫻井さんがどんな人だろうと関係ない。櫻井さんは櫻井さんなんです。それで、俺…」

 

櫻井さんとお友達になりたいです!

 

なんか必死に。小学生が転校生と友達なりたくてお願いしているような感じでオレに相葉さんは言う。

 

「は?」

 

「俺、確かに櫻井さんのこと、すごく綺麗な人だと思って、張り切っちゃった部分もあったけど、櫻井さんと仲良くなりたいって思う気持ちは前と全然変わらなくて。でも、カクテルの意味もわかりました。そういう気持ちなく、友達になりたいんです!もしよかったら、俺と友達になってください!よろしくおねがいします!」

 

相葉さんは、オレに深くお辞儀をした。

 

なんだ、この人…

 

オレは可笑しくなって、失礼だと分かってるが大声で腹を抱えて笑ってしまった。

 

「はははは!」

「櫻井さん?」

「え?ごめっ。マジで言ってんの?」

「本気です。マジです」

「オレでいいの?」

「櫻井さんがいいです」

 

真っ直ぐにオレを見て相葉さんは真剣な顔で言う。

 

「相葉さん、こんなオレでいいの?誰かがオレのこと知ったら、相葉さんもそういう目で見られるよ?今してる職場だって居づらくなるよ?」

「別に構いません。友達を悪く言うやつは俺が許しません」

「そういうことじゃなくて。相葉さんが言われるし見られるんですよ?」

「そんなこと大したことじゃないですか?言わせたい奴には言わせておけばいいんです」

 

そう言って相葉さんは笑顔でオレに親指を立てて見せる。

 

この人、いい意味でバカなんだなぁw

 

「で。櫻井さん」

「はい」

「俺と友達になってくれますか?」

 

相葉さんはきっと、ホントにいろいろ考えてくれたんだろう。

今の顔はそういう顔で。

 

「分かりました。よろしくお願いします」

 

オレはそう言って手を差し出す。

相葉さんは嬉しそうにぎゅっと握り。

 

「じゃ、これからは櫻井さんのこと、しょーちゃんって呼ぶね!」

「は?!」

「だって、友達でしょ?櫻井さんって堅苦しいじゃん」

「そっそうだけど」

「しょーちゃん!」

「はっはい」

「もぉーそうじゃないでしょ!俺のことも相葉さんじゃないからね」

「じゃ、なんて呼べば」

「まーくんは?」

「やだ」

「相葉?なんか違うな…あっ雅紀!雅紀でどう?」

 

最初のは何だったんだよっ!

 

「じゃ、雅紀で」

 

「何、やってんだよ!」

 

この店にいると、たまに一人忘れるなw

 

がばっと後ろから松本に抱き着かれた。

 

「戻れって言っただろ!」

「だって、翔くん、こいつに言いくるめられてる」

「あほか!」

「ホント、2人って仲いいよね」

「いや、そう呑気な事言ってないで、松本を離してよ、雅紀!」

「離さなくていいからね!って、俺も呼び捨てしてよ!」

「ああ、うるさいっ!!」

 

なんだかんだ言って、落ち着けない古本屋って、きっとここだけだと思うよ。。。。

 

 

 

つづく